#第2日目|白神山地その3 平成16年(2004)7月18日(日)天気:晴れ
恐怖の道への誘い(いざない)
展望台で4〜5分ほど小休憩したのち、再び歩き始めます。歩き始めてほどなく、左の写真に見える朽ちかけた案内板に遭遇。
「この先歩行注意」
と書いてあります。左の茶色い部分は、文字が消えかけていて何が書いてあるのかわかりません。なんとなく不安がよぎりました。そして的中。
どんだけの傾斜だ・・
待っていたのは、ものすごい急傾斜でした。
山登りで下りほど恐いものはありません。上りは苦しいだけです。下りは、勢いにまかせてトットコ下ると後で痛い目を見てしまいます(ひざを痛めるとか)。
写真に「白い矢印」を入れましたが、もっとすごい傾斜角で下っていくのです。写っていませんが、しばらくロープがあり、それに捕まっておりましたが、それでも足を滑らせながら下りました。なので、片手にカメラを持っているわけにもいかず、この付近の写真はこれ1枚です。
急傾斜の途中の清涼剤(景色)
細いロープに捕まりつつ、必死に下ります。もうなりふりなんか構っていられません。トレッキングシューズを履いていたのですが、それでも滑ってしまうのですよ。
急傾斜の尾根を歩くのだから、さぞかし景色は良いだろうと思いきや、ほとんど周りの景色は見えず、仮に見えていたとしても、それを楽しむ余裕など皆無です。
そんな中、左側に開けたところがあり、その景色に目を奪われました。これまで歩いてきた高倉森方面です。
ちなみに、足元が写っていませんが、ガケ状態です。高所恐怖症の人は結構きついでしょう。
急傾斜な道は、まだまだ続きます。
やっとここまで・・・だが。
延々と急傾斜の下り坂が続きます。しかも、ロープがあったうちはよかったものの、途中からそれすらなくなり、ブレーキをかけるものがなくなりました。どこかで木の枝の杖でも・・・と思いましたが、そんなものどこにも見つかりませんでした。
あまりの傾斜に、足はとまらず、木に体ごとぶつかってブレーキとしていました。
膝(ひざ)は、結構やばい状態になってきました。それでも、なんとか下り、ようやくゴール地点まで600mのところまで来ました。
しかし、この案内板を見たとき、私の気持ちは「まだ600mもあるのか」でした。いや、マジでそれほど辛かったんです。
ギンリョウソウ発見!
下り坂にさしかかると、下ばかり見るようになります。途中、カエルなどを見かけました。<撮影はせず
ふとなにげに見てみると、白いものが。
「ギンリョウソウじゃん!」
そうです。山登りをする人は、ご存じの方が多いと思いますが、腐生植物のギンリョウソウです。ただし、花はすでに枯れ、実です。
この「実」の状態は、初めて見ました。なので、ギンリョウソウじゃないかな?と思っていたのですが確信が持てず、帰宅後調べてみたら、やはりギンリョウソウであることが判明しました。じつは、小学5年生、そして6年生時の自由研究が、高山植物写真集だったので知っているというわけです。
ゴール地点・アクアグリーンビレッジANMONに到着
ギンリョウソウを後に、再び歩き始めます。あと少しなのに、これがなかなか・・。しかも、最後の傾斜も半端ではなく、さらに道がビシャビシャのダブルパンチでKO寸前。なので、アスファルト道にたどり着いたときは、さすがにホッとしました。自分の靴やズボンの足元を見ると、見るも無惨な状態ですが、そんなことに構っていられません。まずは、ノドを潤すべく、建物の方へ。
ものすごい人でした。そんな中、バスの出発時刻までベンチに座って休憩。今日は、天気・くもり のはずが、この天気。気温も結構上がったのでは。さて、バスがやってきました。乗り込みましょう。
バスから外を眺める
当初予定していたよりも早く歩いてしまったので、1本前の時間に発車するバスに乗車出来ました。行きと同じバスの乗客は数名。高倉森ルートを歩いてきた人は、私を抜かした唯一の若い男性。話しかけようと思いましたが、疲れていたので億劫になり。
さて、予想外の時間が生まれました。どこに行こうかと思案しつつ、迷っていた弘南鉄道沿いの街に行くことにしました。そして、途中西目屋村前でバスを乗り換え、約2時間ほどかけて弘前駅に到着。
更新日:平成20年(2008)08月27日
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