#第3日目|南鳩ヶ谷−本郷追分 平成17年(2005)7月16日(土)天気:晴れ(蒸し暑い)
旧道は喧噪を離れ裏道へ
【ここを左折】 |
この途中にあるらしき王子稲荷神社−お稲荷さんの関東総社−を見逃す。今日は何回見逃すんだよーと意気消沈する。実は、街道から神社へ至る道は無く、先ほど立ち寄った名主の滝公園のすぐ裏手にあることを帰宅後に知って、さらに凹む。
王子大坂
【王子大坂】 |
今でこそ、両脇に家々が建ち並び、電線が空を埋め尽くしているが、昔は緑豊かな空間が拡がっていたんだろうなぁ。
王子神社
王子大坂を下り、人通りのあるごちゃごちゃした賑やかな街を進むと王子駅。駅前には豊富な緑が拡がっていて良い感じ。ここで、再び街道を逸れて王子神社に参拝に行く。王子の地名の由来となった神社だ。巨大な鳥居をくぐると、緑に囲まれた厳格な空間が拡がっていた。
飛鳥山十二景「滝野川夕照」
【石神井川】 |
ここは、飛鳥山十二景の一つ「滝野川夕照」と言われた夕焼けの名所で、不動ノ滝や弁天の池などがあり、昔から憩いの場として賑わっていたそうだ。
しかし、肝心の公園を撮影し忘れて、王子駅前から石神井川を撮影。この先に、前述の音無親水公園があるのだ。
路面電車の走る街
【都電荒川線】 |
と、突然前方からなにやら・・・路面電車だ!!東京都唯一の路面電車の都電荒川線だ。
平成16年(2004)4月に「番外編:江ノ電を歩く」と称して、江ノ電沿いを歩いたことがあり、この荒川線沿いも鉄道沿線を歩く第2弾として歩こうと思っているので、その時までサラバ都電荒川線よ・・・。(追記:平成17年(2005)12月23日に歩きました)
街道は、左手に見える緑の公園を囲むように大きく左にカーブ。
飛鳥山公園で休憩がてらお勉強
王子駅から登り坂が続き、体力が黄色信号から赤になりかけてきたところで、飛鳥山公園になんとか到着。
ここは、荒れ地だった山を徳川吉宗が切り開いて千本の桜を植えて、江戸庶民の花見の場として開放したのが始まりだそうで、今でも桜の名所でもあり、かつ豊富な緑に覆われた地元住民の憩いの場となっている。公園内をブラブラしていると、噴水のある水場で子供達が無邪気に遊んでいる。楽しそうだなぁ。
ほてった体を冷ますべく、公園内にある3つの建物「渋沢史料館」「北区飛鳥山博物館」「紙の資料館」を順に見学。街道を学ぶには、「飛鳥山博物館」が良いでせう。個人的には、様々な事業を興した渋沢栄一の生涯をたどった渋沢史料館に惹かれました。ここで、2時間近くも居座ってしまった。でも、そのお陰で身体もクールダウン。勉強にもなって一石二鳥!
その後、同じ公園内の旧渋沢庭園内にある青淵文庫・晩香廬(接待用亭)などを見て、長居した飛鳥山公園を後に再び歩き始める。と、ここでデジカメの電池がなくなりかけていることに気づくっ!!!むぅ・・・。
昔の人に感謝感謝の西ヶ原一里塚
【西ヶ原一里塚】 |
この西ヶ原一里塚には、プロジェクトXばり(言い過ぎ)の歴史がある。
大正時代に(今は無き)市電延長工事の際に、両塚とも撤去するという話が持ち上がったが、当時の東京市長や滝野川町長、文化人、地元の人達の反対運動により保存することになったとのこと。「一里塚自体が、記念碑的な意義を持つもの」・・・という説明板の言葉、カッコイイー!!(が、実際に記念碑もある)
平塚神社の参道
【平塚神社(の参道)】 |
旧古河庭園
【旧古河庭園】 |
入口で入園券を購入し、さっそく園内に。目の前に現れたのは、良い感じの洋館。洋館の前には、きれいな緑のじゅうたん(芝生)が敷かれ、全体を華やかな空気が包んでいる。が、この庭園の見どころの一つである、花は咲いておらず。しかも、誰か芸能人らしき人が展望台で写真撮影をしており、庭園全景を見ることは出来ず。ここも、秋の紅葉時期にでも再訪してみようかな。
六義園・・・はスルー
【六義園】 |
駒込駅を過ぎると、ついに山手線内に突入。ゴールも間近になってきたぞー。ほどなくして六義園に到着。ここは、今回はあえて素通り。またの再訪を誓う。
秋に歩きたい道−イチョウ並木をゆく−
【イチョウが植わる並木道】 |
全体的に、道幅が広いことが、ここが東京であることを実感させてくれる。この辺りまでくれば、危険に侵される心配がないのが、東京の利点だ。あとは、どこにでもあるコンビニとか。
ちょっとドキドキが・・・
【吉祥寺】 |
今回の日光御成道は、距離こそ短いが、それでも踏破が近づくにつれて、妙にドキドキしてしまう。というのも、今まで東京(江戸)というところは、常に出発点であり、ゴール地点となるのは初めてだからなのかもしれない。
そんなこんなで、吉祥寺という名のお寺を発見。本堂まで出向かなかったが、門構えはかなり立派。
うぉっ・・・ゴール目前か?
【東京メトロ南北線東大前駅】 |
左手には、レンガ塀の壁が先の方まで続いている。これは、もしや・・・東京大学?
日光御成道踏破!
さらにドキドキが高まってきたその時、レンガ塀が跡切れ、左手に立派な門が姿を現した。東京大学農学部の正門だ。日光御成道は、ここ本郷追分で中山道に合流する。すなわち、日光御成道踏破っ!(16:18)
東海道ほどではないにせよ、踏破直前にドキドキ感があったが、実際に踏破してみると、さっきまでのドキドキはどこへやら、意外に落ち着いている自分がいた。さすがにたった3日間では達成感も少ないかなぁ。
あらためて周りを見渡してみると、道路の向こう側の付け根部分には、酒屋・高崎屋。宝暦年間開業という、かなりの老舗だ。その向こうには、中山道が続いている。
日光御成道は、意外と言っては失礼かもしれないが、都心部を通っている街道の割には、予想以上に歴史資源の眠っている街道だった。特に、現役の一里塚が印象深い。若干歩行危険箇所があるが、たくさんの人に知ってもらいたい街道の一つだ。
さて・・・。今回の踏破地点・本郷追分は、現在進行中の中山道を歩いてきた時に必ず再訪するところ。いつの日になるかわからないが、その時は目の前に中山道踏破が迫っている最中・・・。一体自分はどんな気持ちでやってくるのか、そのことを考えるとワクワク感と同時に、ドキドキ感で胸がいっぱいになる。とりあえず、今日のところは、日光御成道踏破の余韻にひたろうと、中山道には足を踏み込まずにクルっと踵をかえして、先ほど見かけた東京メトロ南北線東大前駅に向かって歩き始めた。(完)
歩数計 | 25,543歩 |
カロリー | 1,222.0kcal |
距 離 | 17.88km |
時 間 | 9:45〜16:18 |
支 出 | 交通費|−円 飲食費|−円 その他|−円 |
更新日:平成19年(2007)11月09日
公開日:平成17年(2005)10月10日
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