#第3日目|日野−五個荘 平成25年(2013)1月13日(日)天気:晴れ(少し寒い)
3日目スタート!
小御門集落を抜けて、太陽を背に街道をゆく |
御代参街道も3日目。と言っても、昨日はほとんど歩いていないので、実質2日目と言ってよいかも。
この日はようやく天気に恵まれて、寒さも多少やわらぎ、気持ちよい歩き旅ができそうだ。今日中には踏破したいので、朝一のバスで昨日終えた郵便局前にやってきた。いざ出発!
石原宿
朝日があたる宿場をゆく |
田畑が広がる中に小さくまとまった集落が続く道を快調に進むと、石原地区へ。ここは、かつて宿場があったところで、東海道水口宿からやってくる道との合流地点だったそうだ。
旧道は、少しだけ裏道をゆくのだが、そこに板塀の続く立派なお寺などがあり、大変気持ちよい道である。が、すぐに終わってしまう。
次いで岡本宿
歴史をしのばせる岡本宿 |
石原宿から約1.5kmほどのところに、すぐに岡本宿がある。先ほどの石原宿との相宿だったとのことで、現在も古そうな建物が一部残されている。
さらに、宿場内の至る所にかつての屋号らしきものが書かれた石碑が立てられており、往時をしのばせてくれる。ただ、先ほどの石原宿といい、この岡本宿といい、歩道がない。歩く際には注意が必要だ。
ガリ版伝承館
ガリ版伝承館 |
岡本宿のはずれにガリ版伝承館という施設がある。ガリ版を発明した堀井新治郎父子の住まいした本家洋館を「ガリ版伝承館」として開館しており、ガリ版について学べる場所である。
その内容ももちろんのこと、明治末期に建てられた家屋が立派で、ぜひとも立ち寄りたかったのだが、今日こそ街道を踏破しなければならないため、またいつの日か立ち寄ることを期して後にする。
と言っても、朝早すぎてまだ開館前だったのだが。
飛び出し坊やを満喫
いたるところに飛び出し坊やが |
滋賀県には、「飛び出し坊や」という子どもの形をかたどった看板があり、町のいたるところで見ることができる。車のドライバーなどに注意喚起を促す目的で設置されたものだが、最近はちょっとしたブームになっているらしい。
写真に写っているのはノーマルなものであるが、場所によって色々なタイプがあり、ついつい目で追ってしまい、旅から帰った後も妻との間でしばし「飛び出し坊や」ブームが続いたのだった。
八日市が近くなってきた
京セラの工場やため池などを横目にしばらく進むと、砂川という川にかかる橋に立ってみると、これから向かう八日市方面に道がまっすぐ続いている。しかも道幅が狭く、往時の面影を残しているようで、気分が盛り上がってきた。
さらに先に進むと、古い家屋も多くみられるようになってきた。いよいよ八日市宿も近いぞ。
まっすぐ続く道 |
古い家が点在するようになってきた |
八風街道との追分
まっすぐ続いてきた道がつきあたるT字路左に道標が立てられている。ここは、中山道・武佐宿からやってくる八風街道と交わるところだ。
土山宿から歩いてきて、この八日市宿がもっとも歴史を感じられるところではないだろうか。おそらく、この街道を歩かなければ出会うことがなかったであろうこの景色、とても気に入っている。
八風街道との追分(道標が立てられている)
八日市宿をゆく
八日市は、近江鉄道が交わる場所であり、駅近くに大きなショッピングプラザがあるなど、活気づいていた。ただ、街道が続く本町商店街は、ほとんどがシャッターを閉めており、日曜日以外の日時はどうなっているのか気になるところだ。
ただ、前述した八風街道との交差部ということもあり、町中には多くの歴史が眠っているように思えた。前述の本町商店街も「御代参街道」と書かれたフラッグを掲げるなど、頑張っているようだ。
本町商店街 |
よい感じの町並みも |
立派な鳥居を持つ日吉神社
日吉神社の鳥居は大変立派 |
八日市を抜け、一気に人通りがなくなった町をゆく。地図上の道がわかりにくく、迷わないように慎重に進むと、日吉神社前に出た。道が間違っていなかったことに一安心。
この鳥居が立派な神社には、時間の関係上立ち寄らなかったのだが、創祀は和銅五年と伝えられる古い神社らしい。
拝殿が茅葺の苗村神社
拝殿の茅葺が素晴らしい苗村神社 |
近江鉄道を渡り、山際の道をゆく。日も徐々に沈みかけているが、日が落ちる前に踏破できるか。
つい気が急いてしまうが、焦らずに道間違えをしないように歩いていると、拝殿の茅葺が素晴らしい苗村神社。
そして、ついに踏破……
中山道との合流地点 |
電柱に書かれた住所の字(あざ)をみると、「五個荘」となっている。いよいよ踏破も近い。右・左・右とうねるように道が続き、間違わないように進んでいるうちに、日も沈んでしまった。それでも焦らずに進むと、前方に新幹線の高架が現れた。この高架下をくぐると、ついに前方に常夜灯が見えてきた。ここが中山道との追分だ。
3m、2m、1m……ついに踏破!
寒かったり道を間違えたりと短い街道ながら苦労が多かったが、さまざまなものを見聞きできて満足の街道であった。
八日市からこの五個荘までの道は、もう1本別ルートがあるようなので、またいつの日か歩いてみたいと思いつつ、平成16年以来の中山道を歩きながら急いで駅に向かうのであった。(完)
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更新日:平成25年(2013)04月14日
公開日:平成25年(2013)04月14日
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