#第2日目:新潟県 平成24年(2012)9月2日(日)
旅2日目のはじまり
旅の2日目です。今日は、米沢から一気に新潟を目指します。というわけで、まずは米沢5時57分発の一番列車に乗ります。男性の一人旅らしき人数人計10名弱を乗せた列車は、米沢盆地を抜け、徐々に山の中へ。緑深き山々の間を抜けていく車窓風景は、心を癒してくれます。最近旅に出かけていなかったので、久しく忘れていた何かがふつふつと湧きあがってきました。
米坂線車両 |
米坂線沿線の景色 |
越後下関駅
米沢駅を出発して約2時間、定刻7時58分、越後下関駅に到着です。駅名の通り、ここはすでに新潟県の関川村です。周辺には田園風景が広がっているこぢんまりとした駅ですが、駅員が1名おり、清掃をしていました。
駅舎内には、関川村の観光案内マップ等が置いてあったので、これをいただいてさっそく町を散策します。次の列車は米沢方面が9時46分、坂町方面が12時11分、いずれにしろ時間はたっぷりあります。
越後下関駅 |
越後下関駅 |
越後下関(関川村)の町並み
駅を出発してすぐに十字路にぶつかります。このぶつかった道が旧米沢街道です。ここを右折すると、ほどなくして巨大な茅葺屋根の屋敷が見えてきます。佐藤邸(国指定重要文化財)です。建物は、明和2(1765)年建築の古い豪邸で、かつては庄屋を務めていたそうです。現在、建物は非公開ですが、この豪農家屋で圧倒されました。
佐藤邸の先には津野邸(新潟県指定文化財)、対面には旧斉藤医院(明治期築の洋館)、さらには渡邉邸(後述します)と、見る者を圧倒させずにはいられない、素晴らしき町並みが続いていました。
越後下関(関川村)の町並み(茅葺屋根の屋敷は国指定重要文化財佐藤邸)
越後下関の町並み(中央左は津野邸) |
旧斉藤医院 |
ここ関川村には毎年8月末に行われる「大したもんじゃ蛇まつり」というお祭りがあり、そこで行われるパレードで使用される蛇が、竹と藁(ワラ)で作った世界一長い蛇として、ギネス世界記録に認定されているのです!この蛇がふれあいど〜むに展示されているというので行ってみると、今日は催しがあるとかで見学できず!・・・とがっかりしていたら、ちょっとだけならということで、地元の方に案内されて無事見ることができました!この蛇、全長82.8メートル、重さ2トン、お祭りはちょうど先週終わったばかり。いつか見てみたいのう。
この地元の方と色々とお話をしましたが、蛇の担ぎ手(特に若い方)が減っているとのこと。少子高齢化は、こうした地元のお祭りにも影響が出ているのです。
蛇を見た後、併設する道の駅で地元野菜等を購入後、歴史とみちの館へ。ここで関川村のことを学ぶことができます。なお、建物は渡邉邸をイメージして設計したもの。
ギネス世界記録に認定された竹と藁で作った蛇 |
せきかわ 歴史とみちの館 |
東桂苑
次いで東桂苑へ。ここは、この後訪問予定の渡邊邸の分家として建てられた家屋です。といっても、家屋は明治38(1905)年築と歴史は古く、家屋も立派です。
この建物は、現在村が管理しているのですが、一般に貸し出しを行っているのです。結婚式もできし、仕出し弁当なども予約すれば食べることができるようです。次回は、ここで食事をしてみたいです。
東桂苑正面 |
東桂苑座敷 |
渡邉邸
一通り地域資源を満喫し、そして最後に訪れたのがこれまで何度か名前を挙げてきた渡邉邸。酒造業や金融業等を営んだ豪商です。写真ではスケール感が出しにくいのですが、左下写真に写る車と比較すると少しはその巨大さがわかるでしょうか。道路に面している部分(主屋)だけで約40メートルはあります。敷地は約3千坪もあります。
なお、現在は平成の大修理をしており、建物全てを見学することはできませんが、逆に古き家屋の解体を見られるのは希少かもしれません。個人的には、四方鎌継ぎといった柱の継ぎが大変興を惹かれました。完成してしまうと見られないとのことなので、今のうちにぜひ。(平成の大修理は平成21年1月から6年間かけて行われるとのことです)
渡邉邸外観(工事中) |
渡邉邸外観(手前は味噌蔵) |
渡邉邸内観(工事中) |
渡邉邸蔵群 |
村上のまちを歩く
越後下関駅12時11分発の電車に乗り、坂町駅を経由して村上駅に。村上市にやってきました。村上と言えば、「鮭」ですね。しかし、今回はその鮭は2の次にして、町並みを散策することが目的なのです。時間があまりないのでレンタサイクルでさーっと・・・・・・と思ったら、全て出払っているとのこと。仕方なく、駅ロッカーに荷物を預け、身軽になって炎天下歩くことに。
歩くスピードというのは、実は旅をするには最高の速度で、あらゆるものが目に入ってきます。そのため、村上の古き町並みをゆっくりと堪能することができました。特に、最後に何気に訪問した味匠きっ川(きは七を3つ書く「喜」の旧字体です)。ここにぶら下げられていた塩引き鮭は、まさに訪問前に村上をイメージしていた景色でした。今回は、ゆっくり散策できなかったけど、また機会を見つけて来てみたいです。特に、気になった村上牛も食べることができなかったし(米沢牛もまたしかり)。
村上駅 |
町人町の町並み |
個人宅の鮭が泳ぐ銅塀 |
安善寺と黒塀通り |
黒塀通り(安善小路) |
町人町の町並み |
味匠きっ川(きは、七を3つ) |
きっ川の内観(塩引き鮭) |
旅の終わり
村上駅を発車して、新潟駅へ。新潟駅は、多くの観光客、そして地元住民らしき人たちで大混雑でした。
帰りの新幹線切符を購入しようとするも、指定席は全て満席。駅弁も買えず、お土産も買わず自由席車両の列に並びました。
無事座ることができてほっと一息。途中、車窓から見えた虹が、旅のフィナーレに花を添えてくれました。(完)
更新日:平成24年(2012)09月09日
公開日:平成24年(2012)09月09日
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