#鎌倉−六浦 平成17年(2005)6月12日(日)天気:晴れ時々曇り
ぶらぶらと金沢街道をゆきます
【桜木グリーンロードが続く若宮大路】 |
金沢街道は、神奈川県の鎌倉と横浜の六浦を結ぶ道で、六浦から塩を運んだことから「塩の道」とも呼ばれていた。
11時前くらいに鎌倉駅を出発。まずは、桜色ならぬ緑色した桜並木の若宮大路を、鶴岡八幡宮に向かってのんびりゆく。
杉本寺−坂東・鎌倉三十三観音霊場第一番−
鶴岡八幡宮の境内に入る手前で右折。ついで、正面に宝戒寺のT字路を左折して、そのまま道なりに進み、杉本寺へ。ここは、坂東三十三観音の第一番札所であり、鎌倉三十三観音の第一番札所でもある。
茅葺き屋根の立派な本堂には3体の十一面観世音菩薩がある。そして、苔むした石段が歴史の重みを感じさせてくれた。なお、この苔石段は立ち入り禁止になっている。(拝観料:200円)
報国寺−竹林に癒される−
杉本寺を後に、先を目指す。ほどなくして到着したのは報国寺。ここは、本堂の裏手の「竹の庭」と称された見事な竹林で知られている。有名なお寺らしく訪れる観光客は絶えないが、若干鎌倉の中心地から離れているためか、人の多さに辟易するほどではない。(拝観料:200円(竹の庭入園))
梅雨の合間の晴れ間は、予想以上の暑さを伴っていた。ところが、竹林に足を踏み入れると、そこには清涼空間が拡がっていて、汗がすぅーっとひいていくような感じがした。 目を閉じて、耳を澄ましてみれば、風が吹いて笹の葉が触れあって、ささやきかけてきているような錯覚を覚える。 |
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旧華頂宮邸庭園−ひそかな穴場−
報国寺を後にして、街道復帰する前に、もう一つ立ち寄り。報国寺よりさらに奥に進むと、そこにひっそりとたたずんでいるのが旧華頂宮邸。昭和4年(1929)春、華頂博信侯爵邸として建てられた洋館である。その後、平成8年(1996)鎌倉市が取得して現在に至っている。
残念ながら建物内は見学できなかった。洋館南側の庭園は入園無料だが、庭園維持のため募金箱が置かれている。末永く保存してもらいたいので、多めに募金。庭園は、建物によく似合う洋風庭園だった。ここは、人っ子一人おらず、鎌倉のひそかな穴場だな〜。
浄妙寺−鎌倉五山第五位−
再び街道(県道金沢鎌倉線)に復帰し、次に訪れたのは浄妙寺。鎌倉五山の第五位という大変立派な寺格を持っているが、鎌倉駅や鶴岡八幡宮等から少し距離があるためか、ここまで来ると参拝客は少な目。長い参道を持つ境内は、国指定史跡だそうだが、特段これと言った見所ポイントは見あたらない(花の咲く時期は良いらしい)。ただ、本堂裏手の墓地内に、足利貞氏のお墓がある。貞氏は、室町幕府を開いた足利尊氏の父である。(拝観料:100円)
光触寺−ひっそりとした寺院−
浄妙寺を後にすると、道を歩いている人は皆無に等しくなる。途中、明王院に立ち寄った後、光触寺橋を渡ると光触寺。宗派は時宗で、立派な一遍上人の像も見られる。
もう一つ、このお寺で有名なのが塩嘗地蔵(しおなめじぞう)。もともと金沢街道沿いにあったそうだが、六浦の塩売りが毎朝この地蔵にお賽銭代わりに初穂の塩(作りたての塩)を供えると、帰りには無くなっていたので、「塩嘗」という名がついたそうだ。(肝心のお地蔵様の写真が暗くてすみません)(拝観料:無料)
街道沿いの景観美
さて、だいたい主要な見所(主に寺院)には立ち寄ったので、いよいよメインディッシュの朝比奈切通しへ。その道すがら面白いものをパシャパシャと撮るのはいつものことだけど、今回はその中からお気に入りを数点掲載。
左上は、箒みたいな模様が等間隔に続いていたのが面白かった。左下は、蔦の葉(?)。どこかの家屋の塀を覆っていたので、その一部を切り取って撮影。そして右下は、街道沿いのアジサイ。すでに6月中旬ですが、ピークはあと数日後かな〜という感じでした。 | |
さあ、いよいよ切通しへ
【徐々に道も狭まってきている】 |
途中、向こうから若者が歩いてきたので挨拶したら返事なし。こっちが挨拶したんだからしようよぉー。全く最近の若い者は・・・。
ここからさらに傾斜角がアップ
【雰囲気が良い感じ】 |
そちらに目をやると、なんか雰囲気ありそうな道が続いている。
登り坂だけど、いっちょ行きますか!
悪路に閉口
【岩壁・・崩れてこないよなぁ】 |
息を切らせつつゆっくり歩みを進める。ふと顔を上げると、右手にかなりの高さの岩壁が。崩れてこないよなぁ・・・。
同じような景色が続く
【今度は左手に切り立った岩が】 |
伝説によると、朝比奈切通しは、和田義盛の三男の朝比奈三郎義秀が一夜にして切り開いたと言われている。先ほど見た三郎滝も、この義秀からとってある。
しかし、実際には鎌倉幕府が六浦との交通路を重要視して、執権北条泰時の指揮のもと、切り開いたようだ。まぁ、この伝説は良くあるパターンだし。
お地蔵様も
【お地蔵様も見守る金沢街道】 |
その途中、左手を見ると、かなり古そうなお地蔵様。しかし、写真の出来はいまいちに終わる。というのも、お地蔵様の高さが低いので、撮影する体勢をキープするのが大変だったのだ。
朝比奈切通し
そうしてようやく朝比奈切通しの峠部分に到着。右手には、岩壁に描かれた磨崖仏が見られる。作成年月は不明だが(ネットで調べれば出てくるかもだが)、未だくっきりとその姿を見ることが出来ることに感動。
ここで、六浦側からやってきたおじさんと言葉を交わす。私が肩から一眼レフのカメラをぶら下げていたからだろうか。「どこかの写真教室の生徒さんですか?」と問うてきた。えーそんな人間に見えるのか?ずぶの素人ですと答えておいたが(事実だし)、何かテクニックでも教われば良かった。ちょうど良いと思い、勝手におじさんを使ってスケール感を出すべく切通しを撮影(左下の写真)。
金沢街道ぶらぶらと踏破
【切通しを抜けて】 |
その後、車通りの激しい道に合流し、京浜急行の六浦駅まで歩いて今回の街道歩きも終了。終了時刻は15時くらいだったかと。今回は、綿密な計画無く、万歩計も忘れて(またかい・・)歩いたわけだけど、地域資源に恵まれた街道で、とても楽しめた1日でした。(完)
更新日:平成19年(2007)11月01日
公開日:平成17年(2005)06月15日
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