東海道を歩く(東海道五十三次) / 放浪日記

 #第8日目|富士−由比 平成13年(2001)4月29日(土)

放浪日記第八日目MAP|富士−由比

平成13年(2001)4月29日(日) 東海道第8日目:富士−由比 天気:曇のち雨

富士川〜とっても大きな川でした 前日、あんまり寝ていないような感じで、結局目覚めたのが7時前であった。初めての泊まりがけ放浪の2日目である。
 仕度をしながら、足の状態等を確認してみる。とりあえずそんなに問題は無さそうだ。しかし、これまでの経過を見ても、油断は禁物である。こういう時、慎重な性格が表に現れる。といいつつ、結構いい加減なところもあるので、我ながら現金なやつだと思ってしまう(笑)
 テレビで天気予報を見てみると、夕方頃から崩れてくるとのこと・・今日はなんとか行けるところまで行ってみよう。そう思った私は、準備を終えホテルを出発した。


 歩きながら足の感触を確かめる。まずは上々のスタートだ。最初に近くの公園にある芭蕉句碑を見て、先を目指す。この辺りは、裏道を通っているため車もあまり通らず、のんびりと歩くことが出来た。今日は、昨日とはうって変わって富士山の姿形が全く見えない。なんとなく心理的に芳しくないが見えないものは仕方がない。蒲原宿〜昔ながらの建物が多く存している歴史街道
 そうこうしているうちに静岡大河川の一つである富士川が見えてきた(写真上)。さすが富士山の雪解け水が流れてくるだけであって、非常に水量のある大きな川だった。
 富士川にかかっている富士川橋を渡った後、再び裏道に入り、上り坂が始まった。
 ここら辺りは間の宿・岩淵と呼ばれ、それぞれ『吉原宿』と『蒲原宿』間の休憩場として栄えていたところであり、その名残なのか昔ながらの建物が結構残っていた。
 途中、『岩淵の一里塚』などを通り過ぎ、ひたすら先を目指していたが、左足の調子が悪くなってきた。なんとなくイヤな予感がしつつも、足を休める箇所がなく、ただ先を目指して歩き続ける。この辺りも、大きな見所がないため、ひたすら歩く形になり、余計に足への負担が大きくなっていくように感じられた。
 そんなこんなで、ようやく『蒲原宿』に辿り着いた。早々に、目に入った神社で休むことにした。神社のベンチに座り、足を見てみると、ものすごぉーい大きなマメが出来ていた。これじゃあかんなぁと、まだ先も蒲原宿内の休憩所〜たくさんの東海道ウォーカーが休憩していましたあることからとりあえず足を労ることにした。
 こうして、何も考えずにぼぉーっとしていると、普段の日の忙しさがウソのように思われ、たまにはこういう時間の過ごし方もいいなぁと、改めてこの旅の持つ重みを感じた。しかし、逆に足が痛いとか喉が乾いたとか体がだるいとかしてまで、なんでこんなことしてるんだろう・・って思ってしまうのはしょっちゅうある。別に誰のためでもなく自分のためであるのはもちろんだが、私がこうして放浪をしていることを知っている人達のことを思うと、頑張ろうって気になれる。自分で勝手に始めたことなのに、たくさんの人に応援してもらうってすごく幸せなことだと思う。
 そんなことを考えているうちに、足も回復したと思われ、再び歩き出すことにした。今度は、がっちりと左足を固めて。
 この『蒲原宿』は、かなり昔ながらの建物が並ん由比宿内の曲尺手〜敵の侵入を防ぐものですで残されていた。途中、資料を入手しようと思い、宿内の休憩所に寄った(写真上)。そこで嬉しいことにお茶を頂いたので、少し休んでいくことにした。その節はありがとうございました(笑)。
 ここでは色々と資料を入手することが出来た。そうして、ゆっくりと休んだ後、休憩所のおばちゃんと少し話をしたのだが、最近は、新しい建物が建ってしまったと残念そうに言っていたが、それでも歴史的な町並み整備・街づくりに対して積極的に取り組んでいるように感じた。こうした背景から、ここを訪れる観光客は多いようだ。ここの休憩所にも老夫婦が、そして道を歩いている時にも別の夫婦が歩いていた。


 蒲原宿を過ぎた後は、再び大通りへとぶつかり、通り沿いをテクテクと歩いていく。足は、あまり良い状態ではないようだが、それでもきっちりと何枚も靴下を重ね履きしたため、当面は大丈夫なようだ。
 そうしているうちに、左道を入ると、見えてきたのがたくさんの人通り・・ここが『由比宿』であった。メインとなる本陣跡のところにはたくさんの観光客で賑わっていた。本陣跡は、現在は『東海道広重美術館』(写真下、写真館)となっており由比本陣公園〜観光客ばっかりでした。が、雨が降ってきていつの間にかいなくなってました(笑)、どうやらこれを目当てにしてきているらしかった。この美術館前ではハンペンや名物さくらえびのかき揚げなどが店頭で売られていた。買おうかどうしようか迷ったが、あまりにも人が多かったので、並ぶのはいやだったので買うのを断念した。
 とりあえず美術館に入った。ここで、効を奏したのがJR東海が行なっている日本往来。これがあったため、入場料が安くなったのだ!前回、小田原城でも使えるはずが、持っていくのを忘れたため、割引にならなかったのだ。
 美術館内は、主に、東海道にまつわるものの展示や広重についてのものが置かれていたが、企画で行なわれていた、東海道五十三次の3種類の絵が面白かった。しかし、この企画、なんと途中までしか展示しておらず、続きは五月に入ってからとのこと・・また来いっちゅうのか?(笑)
 美術館を出た後、隣にある明治天皇も休憩したという由比本陣記念館『御幸亭』に入った。畳張りの非常に落ち着いた佇まいの建物であったが、突然抹茶とお菓子を出された。ああいう和菓子はダメなのだが、断るのもなんだかと思い、いただくことにした。抹茶は非常に美味しかった。ああいう本格的な抹茶を飲んだのは何年ぶりだろうか・・・。


由比駅〜雨がやまないため今日はここまで だいぶのんびりした私は、「御幸亭」を後にした・・・が、外に出てみてビックリした。なんと雨が降っているのである・・・さっきまでは降っていなかったのに・・というか、早すぎ!天気予報だと夕方からなんて言っていたのに・・・。しかし、ここでぐずぐずしているわけにもいかず、傘をさして外に出た。この時点で、今日は由比駅止まりだな、と心に決めた。
 そう決めた私は、早々に由比駅を目指して歩き始めた。段々雨足が強くなってくる。由比駅までの町並みは昔ながらの町並みが続いており、晴れていたならばもっとゆっくりと見ていたのだろうが、今回はそんな余裕はなく、雨に濡れないように傘をさしているのと、左足が気になってしまい、それどころではなかった。そうして歩いているうちに、ようやく由比駅に到着(写真右)。
 今日は中途半端で終わってしまったが、次こそさった峠で富士山を見れるかもしれないという気持ちがあったため、ある意味ホッとしていた。果たして、次はいつ来れるのだろうか・・と思いつつ、改札をくぐったのであった。(つづく)
→第9日目 由比−静岡


歩数計 21,108歩
カロリー 878.1kcal
距 離 12.67km
時 間 7:44〜12:57
支 出 交通費|0円
飲食費|333円
その他|6,825円(宿泊代)


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