#第4日目|上野原−初狩 平成15年(2003)1月12日(日) 天気:晴


放浪日記第四日目MAP|上野原−初狩


■君恋温泉からの富士山
 再び西を目指す。道は徐々に下り始めている。途中、君恋温泉という変わった温泉のところで道を間違えて入って行くも、そこからの富士山の景色が素晴らしく、ベンチもあったことから本日初の休憩をすることに。今日は、ホント富士山の眺めが良いなぁ〜。いつまでも見ていたかったが、のんびりしているわけにもいかないので、後ろ髪引かれつつ先を目指す。

君恋温泉からの富士山


■こんもりと恋塚一里塚
恋塚一里塚跡〜こんもりした形がグーっ 君恋温泉を過ぎた後、しばらくクネクネした県道を歩くと、前方に雪をかぶったこんもりとした小山が。どうやら『恋塚一里塚』のようだ。なんか美味しそうー。しかし、これはかつての塚が現存してるのだろうか・・。



■久しぶりの国道20号に合流
国道20号線との合流地点。ここから右折して、しばらく国道沿いを歩くことになります 再び先を目指す。この後しばらく見所がなくなるので、ひたすら歩くことに。道はクネクネと曲がりつつ下り続ける。段々と富士山も見えなくなってきた。そうして、2.5キロほど歩いてようやく国道20号と合流。ここから再び国道沿いを歩くことになる。
 この合流したところ付近が『下鳥沢宿』。大きな見所はないが、昔ながらの家も多少残っているようだ。しかし、それにつけても県道に比べてめっちゃ車の往来が激しい。しかも、大型車が多い。この甲州街道での幹線道路だからしょうがないのであるが、ちょっと恐い。幸い歩道があるので気をつけながら歩く。
上鳥沢宿の街並み 鳥沢駅の交差点を通過後、右手にセブンイレブンが見えてきたので、トイレ拝借を兼ねて立ち寄ることに。このセブンイレブン近くが『上鳥沢宿』だったようだ。バス停にも「上鳥沢」となっている。下鳥沢と同じような家並みが見られる。コンビニから少し先に行ったところにあった『明治天皇駐在地跡石碑』などを見つつ、先を目指す。

 この先、特に大きな見所もなくなり、ひたすら歩く。朝の冷え込みから一転して、まるで春になったかのような陽気だ。汗かいて体を冷やさないようにしないと・・。途中脇道に入って道を間違えたりしつつも、基本的に国道20号沿いを歩く。

■日本三奇矯の一つ・猿橋
日本三奇橋の一つ猿橋。しかし、観光地と化していました テクテク歩き続け、右に曲がる道があり、そこを右折。そろそろ猿橋だ。
 『猿橋』は、かつての宿場があったところでもあるのだが、日本三奇橋の一つなのである。残りの二つは「岩国の錦帯橋」「木曽の桟(かけはし)」である。もっとも、木曽の桟は、現在すでに橋としての機能は失われているため、三奇橋には木曽の桟以外の橋が挙げられている。猿橋と錦帯橋は、必ず挙げられている。
 そして、猿橋に到着。ここまで、ほとんど人に出会わなかったのに、さすがは観光名所!かなりの人でごった返していた。とりあえず写真におさめるが、橋の対面は建物の影に隠れて雪が凍っておりかなり危険だ。滑らないようにソロソロと歩き、写真撮影を行う。しかし、予想していたよりこぢんまりしているなぁ〜。それに、観光客がひっきりなしに来るので、ちょっと興ざめ。とりあえず十二分に堪能したので先を目指す。

猿橋



■大月市郷土資料館に立ち寄る
大月市郷土資料館 次は、近くにある大月市郷土資料館を見に行こうと思っていたのだが、この資料館に至る道が凍っており、しかも下り階段であったため、滑らないように慎重に慎重に下った。そして、ようやく下山完了〜ふぅ。雪に慣れていないので、大変なのである。

 『大月市郷土資料館』は、市内の歴史を学べるようになっており、大いに勉強になったのであるが、特別展示室で白籏史郎氏の写真展が開催していて、とても嬉しかった。なんと、白籏氏は、この大月市の出身だそうである。その昔、八ヶ岳で見かけたことがあったが、今回もとても見事な写真を見せてもらった。こういうプロの写真を目にすると、自分の未熟さを実感すると同時に、本格的にカメラを勉強したいな〜なんて思ってしまう。しかし、なかなか行動に移していないんだけど。
雪が積もっているところもあるので、要注意! 大月市郷土資料館を後にした私は、再び国道に合流。しばらく国道沿いを歩くことに。途中、猿橋駅入口部を過ぎた後、道は左へカーブする。その後、右に入る細い道が旧甲州街道だとのことで右折。車のディーラー店が目印だったような。
 細い道をテクテク歩いていると、日の当たらないようなところは、まだまだ雪が残っていて危険だ。発電所の所の左に入る上り坂を上り、中央本線の踏切を渡り再び国道へ。しかし、すぐに右に曲がっている細い道に入る。横尾橋と書かれているバス停が目印。
 この辺りが『駒橋宿』のようだ。国道から一本逸れるだけで落ち着いた街並みを見ることができる。しかし、その裏道もほどなくして再び国道に合流。合流したところにあったコンビニで飲み物を購入し、さらに先を目指す。


■大月駅を越えて、さらに先を目指す
大月駅〜奥には岩殿山が見えます テクテク歩き、再び右斜めに入る細い道へ。そのまま道なりに歩くと、段々と賑やかな通りと化してきた。どうやら大月駅が近づいてきたようだ。ほどなくして、十字路にぶつかり、右を見てみると大月駅があった。当初の予定では、今日はここで終えるつもりであった。しかし、時計を見てみると、まだ2時前。今日は天気も良いし、次の峠越えを考えて次の駅まで進むことにした。

 先ほどの十字路を右に曲がらずそのまままっすぐ進む。商店街を抜けると、再び国道に合流。この辺りがかつての『大月宿』だったというが、その面影はほとんど見られない。
追分道標 そのまま国道沿いを歩いていると、T字路にぶつかった。ここで左に曲がると都留方面、まっすぐが甲州街道である。それを示しているのが、このT字路部にあった『追分道標』。「左富士道右甲州街道」と書かれている。もちろん、今は甲州街道を歩いているのでそのまままっすぐ進む。桂川を渡り、今度は笹子川が平行して流れることに。さらに、中央高速道路と中央本線もずっと平行だ。如何に平地が少ないか伺い知ることができる。それからしばらく歩くと、左手に『下花咲一里塚跡道標』。この辺りが『下花咲宿』のようだ。もちろん、往時の面影は見られない。


■星野家本陣にて
星野家本陣 一里塚跡から少し歩くと、右側にかつての『星野家本陣』。大きな石碑とともに、建物も現存している(1852年再建)。300円で建物内部を見学させてくれるとの情報を得ていたので、さっそく中に入ると、畳の上にここの人らしき人がいたので、挨拶すると何故か奥に引っ込んでしまった。どうしようと思ったが、とりあえず記帳するところがあったので、記帳をすませ、お金を払おうとしたが誰も出てこない。なおも「すみませーん」と声を出していると、先ほどの人が出てきたが、じっとこちらを見てるだけで何も言ってくれない。仕方がないので見学をあきらめることにした。許可なく勝手に見ることはしたくなかったし。次にここを訪れることはいつになるかわからないので、非常に残念であった。お昼時間でもないのに、なんだったのか未だに謎である・・・。
 気を取り直して先を目指す。大月インターチェンジを過ぎ、インター近くの古本屋で小説をゲットし(またかいっ)、さらに先へ。さらにテクテク歩き、上花咲と書いてあるバス停付近がかつての『上花咲宿』だろうか。特に、これと言ったものは見あたらなかった。


■単調な国道をゆく
まぶしーーーーっ!国道20号沿いにて この辺りは、周りを山々に囲まれてしまっており、しかも徐々に日が沈みつつあることから、日が当たっていないためかなり寒くなっている。しかも、こんな国道沿いを歩いている人など一人もいやしない。なんとなくブルーになりながらもひたすら先を目指す。
 歩いている途中、携帯電話を使って次の電車の時刻表をチェックする。まったくもって便利な世の中になったものである。調べてみると、あと40分後・・・自分が今いるところから逆算すると微妙な時間帯だ。少し早歩き気味になる。この辺りの鉄道は、一本逃すと次がなかなか来ないのである。
 いつの間にか道の向きが変わり、全面に太陽が来ていた。まぶしーっ!しかも、暑くなってきた<わがままやなぁ・・
 それでもなんとか歩く歩く。(※この区間は、本来は川を渡った反対側に続く道が旧道となります)

■第4日目、初狩駅で終了
ついに東京から100キロ歩きましたぁ〜 途中、左に大きくカーブしたところに東京から100キロの案内板。おお〜ようやく100キロ来た〜。疲れていたがやっぱり嬉しい。甲州街道は、東海道の時とは違って山道が多いので距離の感覚が違うし。しかし、まだ全行程の半分も来ていないのだ。そんなことを思いながら、ひたすら歩き続ける。右手に『山本周五郎生誕の地碑』を見た後、コンビニ・ローソンのところで左に。ここで今日は一旦旧甲州街道から逸れることになる。それからほどなく本日の終着点・初狩駅に到着。電車が到着する3分前であった。

 寒かったり暑かったり、また排気ガスをたんまり吸ったりしていたため、ちょっとバテ気味であったが、一日無事歩くことが出来て、しかも素晴らしい富士山を見ることができて満足の私は、切符を購入して無人の改札をくぐったのであった。(つづく)
→第5日目 初狩−勝沼ぶどう郷


歩数計 45,919歩
カロリー 1,785.2kcal
距 離 25.75km
時 間 7:25〜15:36
支 出 交通費|2,230円
飲食費|1,012円
その他|100円

2003.1.21update
2007.04.05renewal


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