その昔ひとりの妊婦が中山峠を越える途中、悪漢に殺されてしまいました。亡き母のかたわらで泣いていた生まれたばかりの赤ん坊は、村人に救われましたが、母の霊は傍らの石にのりうつり、夜になると泣き出すようになったそうです。そして、その後、その赤ん坊は立派に成長し、母の仇をうったと言われています。悲哀伝説の夜泣き石は、現在、中山トンネルの脇に据えられており、伝説ゆかりの久遠寺にも同様の石が祀られています。当時、中山峠は、箱根と並ぶ難所として知られていましたが、峠越えの厳しさを感じさせる民話として語り継がれています。
2002.3.29update
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