#第1日目|追分−滋野 平成15年(2003)12月27日(土) 天気:晴(寒い!)



■高浜虚子記念館
高浜虚子記念館敷地内にある虚子庵
【高浜虚子記念館敷地内の虚子庵】
 のんびり歩いていると右手に高浜虚子記念館があった。高浜虚子は、名前を知っているくらいの人物だったので素通りしようかと思ったが、せっかくなので立ち寄っていくことに(入館料:300円)。
 これが良かった。
 館長らしき人がとても親切にしてくれた。最初入館した時に案内しようかと言われ、結局断ってしまったが、お言葉に甘えれば良かった。結局、それほど大きくない記念館なのに30分も長居してしまい、それがのちのち時間をおす結果に。


■小諸宿をゆく

 再び街道に復帰。立派な『お味噌屋』などを見つつ、道は光岳寺のところを左折。この寺の門は、かつての小諸城の『足柄門』を移築している。雰囲気のある家屋が並ぶこの辺りは、かつて旅籠などが並んでいたようで、ここも近代化の波が押し寄せているものの、歩いていて気持ちが良い。
小諸宿の中心地は雰囲気の良い街並みが続いていました
歴史がありそうなお味噌屋
お味噌屋
かつての小諸城の城門のひとつ。現在はお寺の門
足柄門
現在は骨董屋さん
旧小諸銀行
丁字庵で昼食
【そば屋の老舗・丁子庵】
 そんな街並みを堪能しつつ、枡形になったところにある丁子庵で腹ごしらえをしていくことに。ここは、老舗のおそば屋さんで、私の持参している本にも載っているので寄ってみたのだ。お昼時間を過ぎているため、それほど混んでいない。ざるそばにしようと思ったが、寒かったので温かい山菜そば。つるつる〜と食べれば体も温まるってもんだ。

 余談だが、私の勤めている職場の隣に「小諸そば」というチェーンの立ち食いおそば屋があり、そこのそばが結構美味しいので、小諸に来たらそばを食べようと思っていたのだった。体も温まったので先を目指す。


■小諸宿は施設が充実してるぞ

小諸城大手門。現在の小諸城址からは離れています。<昔はここまでお城があったのだなぁ
【小諸城大手門】
 そば屋を出た後、枡形に沿って街道を進み、街道を逸れる。目指すは『小諸城大手門』。ちなみに、この枡形になっている辺りは、かつて小諸城の曲輪があったため、街道は迂回するルートとなっているのだ。

 ほどなくして『小諸城大手門』に到着。国指定重要文化財だけあって、どっしりしたその門構えは、往時の歴史を物語ってくれている。この大手門、今は小諸城址と呼ばれるところから結構離れた所に位置しているのだが、これだけでも当時のお城の規模が想像できよう。

本陣母屋
【本陣母屋】
 次いで大手門横にある『浪漫館』を見学。『本陣主屋』と『小諸義塾記念館』との共通乗車券を購入(500円)。この『浪漫館』では、かつての小諸の主力産業・養蚕のことや、日光東照宮の巨大模型などが展示してあり、小諸の町を学ぶに適したところだ。ただし年末のためか見学者は私一人。
 また、近くに『本陣主屋』もあるというので見学。ここも見学者は私一人だったが、管理人が「寒かったでしょう〜」と言ってお茶を出してくれたのが嬉しかった。一通りぐるっと建物内を見学した後、そのお茶を頂いた。良い機会なので、北国街道の地図などがないか聞いてみたが、残念ながらわからないとのこと。十分体も温まったのでお礼を言って先を目指す。
大手門裏側は雪が積もってました
小諸城大手門
がら空きだった浪漫館
浪漫館
こぢんまりしている脇本陣跡
脇本陣跡


■小諸宿問屋場本陣に圧倒!
小諸宿本陣。圧倒!!
 街道復帰後、道は緩やかな下り坂となる。途中、『脇本陣跡』『本陣』等歴史ある家屋が見られる。特に、『本陣』はかなり巨大で、問屋場も兼ねていたようだが、大手門と同様の国指定重要文化財、長年の歴史が凝縮されていると同時に、文化財としての重みが加わっているためか、一層重々しく見える。残念ながら内部見学はできなかったが、その外見だけで威圧されてしまった。写真にも収まりきれないくらいだ。


■小諸なる古城のほとり・・

懐古園入口の三の門
【小諸城三の門】
 鉄道高架下をくぐり左折。再び街道を逸れて、懐古園を訪ねることに。懐古園は、かつての小諸城址だ。今日は、寒々しい日だからなのか、人影はほとんど見られない。左手に重要文化財の『三の門』を見つつ、先ほどとは別の共通入場券を購入(500円)。なんだか紛らわしい・・。どうせなら先ほどのと合わせた共通入場券を発行してくれるといいんだけど。きっと管理主体が異なるのだろう。

藤村記念館。藤村ファンらしき人が訪れていました
【小諸城内の藤村記念館】
 こっちの共通入場券では、『懐古園入園』に加え、『藤村記念館』『郷土博物館』『徴古館』『小山敬三美術館』等が見学できるが、時間の都合上『小山敬三美術館』は断念。『藤村記念館』を見学して、無性に島崎藤村の小説が読みたくなった。とりあえず、中山道を歩く前に「夜明け前」は読んでおかなければ。
 一方、『徴古館』の管理人は妙に威張っていた。その他施設の管理人の応対が良かったのと対照的だったので、イヤな印象が残ってしまった。
 懐古園で1時間ほど過ごしたのち、懐古園近くの『小諸義塾館』を見学。ここの受付のお姉ちゃんもやる気ゼロ。まぁ、今日はほとんど人が訪れないから暇なのだろうな。この義塾館は、最近お気に入りの擬洋風建築なので、ゆっくり見学していたかったのだが、日も沈み始めたのでほどほどに切り上げる。


■日が沈み始めた旧道をゆく

徐々に日も沈み始めました
【今日も一日が終わろうとしています】
 ようやく長居した小諸を後にする。ここはまた来なければ・・と再訪を誓いつつ街道に復帰。当初の予定では、今日は海野宿付近まで歩く予定だったが、予定が大幅に崩れたため予定変更。「とりあえず行けるところまで行って、後は次の日に持ち越すことにしよう」と。真っ暗になってから歩く辛さは以前味わっているし、暗くなると寒さも増してくるので体が心配だ。
 車の往来がある裏道を進む。かなり大きい『布引観音道標』を過ぎて大通りへぶつかる。ところが、どうも手持ちの地図と道が異なっている、どうやら道路整備により変わってしまったようだ。とりあえず手持ち地図と見比べながら見当をつけて歩いていると、左手に『青木一里塚』の碑を発見。無事街道復帰できたことを確認してホッと一息。道はさらに続く。日の沈み加減を見て、今日は滋野駅までとすることにした。そうと決まれば、とラストスパートとばかりにペースを上げて歩く。


■北国街道初日終了

きれいな夜空に月がぽっかりと浮かんでいました
【夜空にぽっかりとお月様】
 『牧家一里塚』石碑を左手に見つつ、『雷電の碑』があるところで街道歩きは終了。左折して駅に向かう。道を下ること10分、ようやく滋野駅に到着。

 フラッシュをたかないと駅名が判別できないほど暗くなっていたが、無事に到着できて安堵。ストーブの置かれている小さな駅待合室のベンチに座り、ペットボトルのお茶を出して一口飲んだ。
 まもなく電車が来るのでホームに向かうと、夜空にきれいな月がぽっかりと浮かんでいた。(つづく)
→第2日目|滋野−上田 へ


歩数計 31,886歩
カロリー 1,343.5kcal
距 離 19.14km
時 間 9:22〜17:06
支 出 交通費|6,010円
飲食費|1,983円
その他|1,300円

2004.5.15update


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