#第13日目|妻籠−須原 平成18年(2006)5月4日(木) 天気:快晴


中山道行程図〜第十一日目|恵那−中津川


■素晴らしき街道風景
 国道に合流後、国道沿いの歩道を歩く。真横を行き交う車は、相変わらず騒音をまき散らしているが、それをかき消すかのような素晴らしい中山道空間に酔いしれる。両側に迫る山あいを縫うように、現在の街道・国道19号と木曽川、そして鉄道(中央本線)が続いている。国道歩きなのに、気持ちよい!
木曽谷に続く中山道 木曽川沿いの道をゆく
車の往来はあるが気持ちよい! 山の緑と川の青が素晴らしい

■国道歩きから裏道へ
 三留野宿先で国道に合流してから、約4kmほど国道歩きをしたはずだが、あっという間に時間と距離を稼いだ気がして「得をしたぜ」なんて思いつつ、十二兼駅へという案内板に従って国道から裏道へ。やはりホッとする。
 中川原の明治天皇御小休所跡を左手に見つつ、両側に落ち着いた集落の続く緩やかな登り坂をゆく。
 しばらく進むと、右手に十二兼駅が見えてきた。自販機でもあるかな〜という、かすかな期待は裏切られた。ここは無人駅だった・・。しかし、自転車置き場があり、数台の自転車が止まっているところを見ると、この駅を利用している人はそこそこいるらしい。
十二兼駅の案内板を見たら、左折して裏道へ
十二兼駅案内を左
明治天皇がここで小休止しました
御膳水
落ち着いた集落が続きます
落ち着いた集落
無人駅の十二兼駅
十二兼駅


■ちょっとわかりづらいルート
振り返って辿ってきたコースを矢印で表現
【踏切と国道を横切って(横断要注意!)】
 ここから少し道がわかりづらい。
 十二兼駅を過ぎた後、右手を走る線路の向こう(奥)に信号が見えたら、アスファルト道路を逸れて細い川沿いの草道を登って、そのまま線路を横切って信号を渡る(歩行者専用)。わかりづらいがここがかつての旧道だ。
 ただし、線路に関しては、踏切がないため横断をする際は、くれぐれも注意が必要である!!!安全を期すために、その先に踏切があるので、そこを渡ることをオススメします。
 右の写真は渡ってから、今来たルートを撮影したものです(白い矢印に沿って歩いてきたのだ)。

■線路沿いの道をゆく
 線路と国道を横切った後、再び裏道が続く。街道沿いの花を愛でつつ(チューリップ)、落ち着いた道をゆく。
 再び国道を横断して(要注意!!)、今度は線路沿いの裏道をゆく。7〜800m歩いてから踏切を渡り、木曽川と鉄道に挟まれた道をゆく。幸い車もほとんど通らず、なかなか快適な道だ。写真撮影出来なかったので掲載していないが、木曽川は下流で水をせき止めているためか、エメラルドグリーン色してなんか奥が深そう。しかし、背中で太陽を浴び続けるのは結構疲れが蓄積するぞ。
 テクテク歩くと、第13中山道踏切を渡る。ここの踏切に名付けられた名称をチェックしてから、この先の踏切の名称は一つづつ少なくなってくる。おそらく、第1があるということだ。それだけ中山道と鉄道が交わっている証とも言える。
綺麗です
チューリップ
電車が向こうから走ってきました
線路沿いの道
写真に写ってませんが、左手に木曽川
左手に木曽川
ちょうど電車が走り去っていきました
中央線の列車

■おっ!雪をかぶった山々が
 最近道路工事をしたらしき道に合流。踏切を渡って左にゆくと阿寺渓谷へ、旧道はそのまま踏切を横目に直進。短い登り坂を登り切ると、木々や家の隙間から山が見える。気になりつつも先に進む。国道に合流する箇所があるが、ここは左に進み引き続き裏道をゆく。と、前方を遮るものがなくなってきたところで、再び前方に山が・・・中央アルプスだっ!
道路は整備されたばかり
踏切を横目に直進
道路は整備されたばかり
道路は整備されたばかり
道路は整備されたばかり
国道ではなく裏道
前方に山々が
前方に木曽の山が


■中央アルプスの山々を望みつつ
 街道を歩いている時、「山」を心の支えにして歩いていることが多いのだが、単独の山ならいざ知らず、峰々が続いた連峰と化していると、どれだかわからなくなるので(特徴的な山とか見慣れた山は別だが)、この時のために広域地図のコピーを用意して持ってきたのだ!
 が・・・結局どの山がどれなのか判明せず・・・勉強せねば。。。

 しかし、電線及び電柱が邪魔ですなぁ〜

素晴らしい景色。電線が邪魔ですが・・・



■野尻宿をゆく
 家々の間をぬうように続く、いかにも街道という道をゆく。さっきから飲み物(&食料)をゲットするために、駅を目指すべく歩いているのだが、駅へ続く分岐点手前に位置する、目印としていた川が現れない。と、いい加減おかしいと気づき始めたところ、左手に案内碑を発見。見てみると、すでに駅を200mも過ぎていたっ・・今更駅に戻る気も起きず、すぐ近くにあった雑貨屋前の自販機で飲料補給。気分を入れ替えて再出発!
 というわけで、いつの間にか野尻宿に。しかも、そろそろ終わりに近いという、大失態・・・。そんなわけで、なんとなく野尻宿全体の印象が薄くなってしまい、その代わりに中央アルプスの山々の美しさが印象に残った。
野尻宿の街並み 野尻宿から見える中央アルプスの山々 宿場内風景
本陣跡 高札場跡

■木曽の山々(中央アルプス)に見守られながら
 高札場跡(すなわち野尻宿)を過ぎて、家屋が徐々に少なくなり、ポツポツと点在する形になってくる。
 徐々に全貌が明らかになってきた中央アルプスの山々を正面に見つつ、車通りの少ない快適な裏道をのんびり歩き、久しぶりの国道に合流。さっきとは一変して車通りの激しさに閉口しつつ、数百メートル歩いて道の駅・大桑へ。なお、道の駅は、例の如く歩道と反対側(進行方向右側)にあるので、横断の際は要注意!!!!
山々を前方に見つつ裏道をゆく 山々を見ながら裏道も終了・・


■道の駅大桑で休憩
道の駅大桑
【道の駅大桑】
 朝、妻籠宿を発ってからほぼ無休憩で来ていたので、ここで、ようやくトイレ休憩&かなり遅めの軽い昼食(アップルパイと五平餅)を頂くことに。しかし、中途半端な時間にもかかわらず激混みの道の駅だが、歩いてやってきた人は、ほとんど居ないだろうなぁ。(当たり前か)
 しかし、ここの五平餅は美味し!何も口にしていなかったからかもしれないが、瞬く間に完食。一段落ついた後は、日陰でゆっくりさせてもらうことに。なにしろ、ここまで辿り着いたことで、本日の終着点・須原まで、到着にゆとりが出来てきたから。

 たっぷり1時間ほど休憩した後、再出発。お腹もふくれて、疲れもとれて気力十分ですよー。

■雄大な木曽の山々を望みながら
 歩道が左側にしかないため、またもや信号も横断歩道もないところで、車の往来がないのを見計らって猛ダッシュ!ホントなんとかしてくれないかなぁ〜。

 道が右にカーブすると、緩やかに下る道の前方には、雄大な木曽の山々が・・・。この気持ちよい景色を堪能しながら、約1km弱国道歩き。

正面に木曽の山々


■国道を離れ裏道へ
  大桑駅手前で中央本線の踏切があるので、まずは国道を横断して(ここは横断歩道があるが、信号がないので横断要注意!!!)、次いで踏切を渡る。これで、本日の終着点・須原まで国道歩きとはおサラバだー。
 長野橋を渡り、城山というかつての大屋城跡をぐるっと取り囲むように道は続いている。緩やかな登り坂が続き、夕刻近い時間にもかかわらず日差しが強く、ちょっとバテ気味。天長院を右手に見つつ、正面に幼稚園が見えるT字路で左折。子供専用釣り川(小川)や桜や芝桜などの春の彩りを堪能しつつ、バテ気味ながらも気分良く街道歩き。
 十字路にぶつかるので右折。前方に、再び木曽の山々を見つつ道なりに歩みを進める。しばらく歩くと、左手前方に伊奈川橋が見えてきた。そして、その奥の山の斜面に張り付いている岩出観音堂も見えてきた。
信号がないので、横断する際は要注意!!
国道を横断(要注意)
奥に大桑駅
奥に大桑駅
長野橋
長野橋
立ち寄らず−子育て地蔵と呼ばれる石仏があるらしい
天長院
ここは左折
正面に幼稚園
横の小川は魚釣りできるらしい
道沿いに小川
たくさんの花が咲いて気持ちよい!
花咲く道
ここは右折
T字路(ここを右折)


■今昔木曾街道六十九次−野尻−
 渓斎英泉が描いた「野尻宿」の絵は、野尻宿と外れているどころか、須原宿にほど近い、この伊奈川橋と岩出観音堂が描かれている。何故、英泉がここを野尻宿の描画ポイントとしたのか定かではないが、この景色をどうしても描きたかったのか。というのも、個人的な勝手な解釈であるが、英泉の描く木曾街道六十九次は、特徴的な風景を堪能出来るところでは、人物ではなくもっと広域的な視点から見た絵となっている気がするのだ。
 肝心の絵の方は、伊奈川橋が、まるで猿橋のような杭のない橋として描かれており、全体的に木曽の山奥深さをうまく表現しているように感じられる。現在は、ここまで急峻な場所ではないにせよ、周囲を山に囲まれた同じような風景を眺めることが出来る箇所の一つであると言える。
木曾街道六十九次 野尻 英泉作

■岩出観音堂
 現代の伊奈川橋を渡り、一端旧道を外れて、岩出観音堂で小休止することに。この岩出観音堂、見た感じは京都の清水寺を小さくしたような造りになっている。高台に位置しているため、ここから望む風景は良い感じ。ただし、山々に囲まれている地形上、それほど奥行きは感じることは難しいかな。
下から見上げる 舞台にて

■いよいよ宿場も近い
 岩出観音堂で休憩して、少しは疲れが取れたので、最後の踏ん張りをすべく再び歩き始める。旧道に復帰してT字路を右折後、左手眼下には木曽川と鉄道線路や発電所などが見える。それが徐々に迫ってきて、線路と同じ高さになったところで踏切を渡る。家々が徐々に見え始めると、いよいよ宿場が近い。
発電所もあります
眼下には木曽川
電車は来ず
踏切を渡る
お気に入りの写真
ワインディングロード
落ち着いた街並み
宿場も近い

■須原宿をゆく

 宿場の中心地へゆく前に、定勝寺に立ち寄る。永享2年(1430)創建というから、なかなか歴史の深いお寺だ。本堂や庭園などが立派なようだが、残念ながら門は堅く閉ざされていて見ること叶わず・・残念。門前には、立派な枝垂れ桜が植わっているが、こちらも残念ながら花は散った後。しかし、全体的に落ち着いた空気が漂う厳格な寺院であることが伺え、また機会を見つけて訪問してみたい。
 定勝寺を後にして、須原宿の中に足を踏み入れる。なかなか道幅が広い。享保2年(1717)に洪水のため宿場の移転を余儀なくされたようだが、その往時の情景がそのまま今に残っているような錯覚を覚えるほど、雰囲気の良い宿場町だ。この須原宿の特徴の一つとして、水飲み場が至るところで見られることが挙げられると思う。潤いの空間は、心に安らぎを与えてくれる。
 宿場途中に長き歴史を持つ民宿すはらがつい先日まで営業していたのだが、残念ながら役目を終えてしまった。実際に建物を目にしたらよさげな家屋だっただけに残念。
 宿場風景を堪能しつつ、脇本陣の奥に続く階段を下りる細い道があるので、そちらをゆく。何も案内版がないが、ここが旧道である。個人宅の軒先を通っているので、謙虚な心を持って歩く。
向こうから手前にかけて登り坂+曲尺手状になっている 定勝寺−門前に立派な巨木がある木曽の名刹
須原宿の街並み 柏屋〜かつて旅籠を営んでいた
水舟〜生活が垣間見えます 須原宿の街並み
脇本陣・西尾家 矢印の細い裏道へ

■第2日目終了
本日の終着点・須原駅
【本日の終着点・須原駅】
 宿場を抜けると国道に合流する。抜け道がないため、ずいぶん車通りが激しいぞ。
 ここからしばらく国道歩きとなるが、本日は宿を須原に確保しているのでここで終了。というわけで、ほどなくして国道を外れて須原駅に向かう。
 街道歩き2日目、今日も楽しく充実した1日だった。いよいよ明日は3日目。天気もよさそうだし、どんなものが待ち受けているのか、そして大きなイベントも発生するので、ワクワクしつつ、ベンチに座って大きく伸びをした。(つづく)
→第十四日目|須原−上松 へ


歩数計 32,349歩
カロリー 1,518.0kcal
距 離 22.64km
時 間 8:15〜17:17
支 出 交通費|−−円
飲食費|−−円
その他|−−円

2006.10.14update


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