#第5日目|醒井−関ヶ原 平成16年(2004)10月17日(日) 天気:快晴


中山道行程図〜第五日目|醒井−関ヶ原


■中山道放浪第5日目プロローグ
今日も天気が良くなりそうだー
【醒井駅】
 早朝7時過ぎの米原駅。旅人は、駅員にモノを尋ねていた。「醒井駅までsuica使えますか?」「使えないです」
 実は関西のsuicaとも言うべきicoca(イコカ)なるものがあり、2004年8月からicoca区間でもsuicaが使えるようになったのだ。なので、使えないかな〜と思っていたのだが、醒井駅はJR東海エリアのようで使用不可・・むぅ・・残念!

 仕方なく普通に切符を購入して、6分後醒井駅に到着。朝早くから、車内は席が全て埋まるほどの混みようだったのに、降り立ったのは私のみ。まぁ、この駅で降りるのは地元民以外では街道歩きする人か、登山者くらいだろう。
 万歩計をリセットしてスタート(7:24)。冷え込んでいるが清々しく気持ち良い。途中でペットボトル飲料を購入し、街道復帰を目指す。途中、昨夕見た旧醒井郵便局を見て、やはり開館時間に合わせれば良かったかな〜と、ちょっと後悔。醒井大橋のところで街道復帰。


■醒井宿
 舗装色の異なる道をゆく。朝早い宿場町は、まだ誰も目覚めていない。この雰囲気がとても好きだ。醒井宿の昼間の顔は見たことがないが、賑やかな宿場よりも、ひっそり落ち着いた空間を求めてしまう。例え、それが本来の姿ではないとしても。
 三名水の十王水や居醒の清水に代表される清らかな水は、まさに醒井の大きな特徴であり、旅人のみならず地元住民の心を癒しているに違いない。水のある風景は、身も心も豊かにしてくれる気がする。その他にも、問屋場跡(現在は資料館)、本彫美術館など見学できる建物があるが、朝早いため閉まっている。やはり、ここはまた訪れたいところだ。
 宿場の東はずれに位置している加茂神社は高台に位置しており、そこに登って宿場を見下ろしてみると、遠くまで見渡すことができた。今日も天気が良くなりそうだ。
十王水 了徳寺の銀杏 源海寺本堂 地元の人の取り組み
醒井宿の街並み 醒井宿資料館 水が清らかです 本陣跡
醒井本彫美術館 水車 延命地蔵堂 ねがいばしと腰掛石
鞍掛石と影向石 緑苔寺 加茂神社 加茂神社
日本武尊像 居醒の清水と蟹石 加茂神社 加茂神社

■宿場を抜け、道を嗅ぎ出し行く

 加茂神社を後に、宿場を抜ける。ここは、また来たいところだった。ここまで、守山宿、武佐宿、高宮宿そして醒井宿と意外によさげな街並みが残っている。中山道の人気があるわけだ。
 ゆるゆる道を進むと、国道に合流する手前に分間絵図と「中山道 醒井宿」と書かれた石碑。それを横目にそのまま国道に合流しようとしたが、どうも感覚的におかしいと感じ、手前に見かけた床屋KOTOBUKIのところを右折する。道は登り坂となるも、街道らしい雰囲気のある街並みが続いていた。おそらくこちらが正解だろう。そして、それを決定づけたのは、新しめの一色一里塚跡石碑。エノキが3本ずつ植わっていたそうだ。さらに道は登り、下りかけたところ左に八幡神社。トイレが大変きれいでお世話になり、ありがとうございました。
しかし、この石碑のある所は街道ではない・・・・
石碑
国道手前です
床屋を右折
新しい石碑
一色一里塚跡
強引に突破っ
八幡神社


■国道をゆく
 八幡神社を後に、道は右にカーブし、そのまま国道に合流。ここから500m弱国道沿いをゆく。その途中、左手にコンビニがあるので、ここで飲食料購入やトイレなど利用するのも良いかも。あれ?そう言えば、昨日から歩いていて初めてのコンビニだぞー。
 その先、ホテルの先に左に逸れる裏道があるので、そちらへ進む。怪しい看板(写真では自主規制)が目印。国道を逸れた裏道は、落ち着いた道だが、ラブホテルが続き、環境はあまりよろしくない。
国道に合流
国道に合流
必要があれば、ここで飲食料購入を
コンビニ
ここを左折
ホテル先を左折
落ち着いた道ですが・・・
一本裏道


■松並木の名残
 ラブホテルの続く道沿いに、その松並木はあった。恐らく、往時はこの辺り松並木が続いていたのだと思う。街道を歩いていると、松の木に出会うと嬉しくなってしまうのは、自分の頭の中で「街道=松並木」の方程式が成り立っているからかもしれない。
 また、ここは、松並木のすぐ横を川が流れ、先には桜が植わり、春に来てみたいところだ。

国道の一本裏道には松並木の名残が・・・しかし、場所が場所ですなぁ・・・



 しばらく裏道をゆく。すぐ横を走る高速道路の側道との合流地点のすぐ先右手に、墓跡黒谷遺跡と書かれた石碑と中仙道と書かれた石碑。案内板もあるが、字が消えて読めず。その先左手にはお地蔵様。そして、道はうっそうと杉が生い茂る森の中へ。
 緩やかな登り坂となっている杉林をゆく途中、右手に番の面遺跡と書かれた石碑。縄文時代に集落があったという。杉林を抜け、平田組の工場横を歩く。街道沿いにはキンモクセイが植わり、辺り一面に芳しいニオイが漂う。道はそのまま長沢集落へ。集落の美味しそうな柿を見て楽しんでいると、右手に「やくしへのみちへ」と書かれた道標。ここで道が分かれるので、道なりに左の道へ。案内標もあるので、もし迷いそうな時は周りを見回して確認を。
遺跡があった?
墓跡黒谷遺跡
これから杉並木に入ります
左手にお地蔵様
人っ子一人会いません
杉林
縄文時代はここに集落があったっ!?
番の面遺跡
かきーーーー
秋の実り
落ち着いた街並み
集落
家屋がなくなり寂しくなる
薬師への道標
細い案内標
案内標


■柏原宿手前の街道風景
 道が左にカーブすると、目の前にのどかな風景が飛び込んできた。うぉー気持ち良いぞー!
 この道沿いには、街道並び松と称して、中山道400年記念植樹として若い松が植えられている。そして、この先柏原宿入口まで断続的に続いていく。

のどかなところです



■いよいよ柏原宿へ
 のどかな道を歩くと、前方に巨木の生い茂る空間が現れた。その手前に、北畠具行卿墓と書かれた大きな案内板。400mほど行かねばならないことと知らない人物なのでパス。そのまま並木を進む。この並木道、松だけではないらしく、先端部分が色づき始めた木も見られ、秋らしさを感じさせてくれている。また、並木内には、柏原宿を示す案内板。そして、その先に西見附跡と書かれた案内板。ここが柏原宿の入口である。
ここを左折すると北畠具行のお墓
巨木の生い茂る並木道へ
まだまだ色づき始め
色づく木々
かなりでかいっす
宿場案内版
宿場内と言いつつ、家屋はなし
西見附跡


■柏原一里塚跡
 並木を抜けたところ右手に、「柏原一里塚跡」と書かれた立派な石碑が建てられている。裏を見てみると、平成15年11月に出来たと書いてある。新しいわけだ。と、石碑の下の方に矢印がある。なんだろうと、矢印の指す方向を見てみると、なんと一里塚が復元されているではないかっ!復元一里塚の前に石のベンチがあったので、少々休憩していくことに。
 目の前には小川が流れ、心地よい風が吹き、空は雲一つない一面の青空、周りを見渡せば緑の山々と色づき始めた桜並木やコスモス・・・・最高です!!!旅してるぞーって感じ(意味不明)
 ・・ずっとここに居たかったが、意を決して再び重い腰を上げた。
一里塚跡石碑 復元された一里塚 復元された一里塚 雲一つない空
葉が色づき始めた桜並木 復元された一里塚 復元された一里塚 のどかな風景


■柏原宿をゆく その1
 一里塚を後にすると、集落が始まる。人も車の往来も少なく、落ち着いた街並みが続いている。郷宿跡(脇本陣と旅籠の中間)、銀行跡をはじめとした歴史を感じられる建物も見られ、また各建物には、かつての屋号札が掲げてあり、その取り組みがとても嬉しい。
 日枝神社を越えた左手に、これまた立派な建物が見えてきた。
柏原宿の街並み 郷宿(ごうやど)跡 旧旅籠 道標
柏原宿街並み 柏原銀行跡 日枝神社 歴史館近くの街並み


■柏原宿歴史館にて
色々と勉強させていただきました
【柏原宿歴史館】
 その建物は、かつての商家・旧松浦邸。平成10年に柏原宿歴史館として一般開放されている。時刻はすでに10時を過ぎていたが、本日1番乗り!
 最初に16分のDVDで宿場紹介を見た後、館長らしき人が丁寧に一つづつ展示物などを説明してくれた。街道を歩いている人にとっては、知っていることばかりだったが、柏原宿への熱い思いが強く伝わってきた。どうもありがとうございました。また、受付で応対してくれたおばちゃんもとても親切で、こういう配慮は、孤独な旅人には身にしみます。

 しかし、最後に聞いた「つい数日前、この近くにも熊が出没したんですよ」という言葉・・・・マジ恐いんですけど・・・。

 開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
 休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始
 入館料:300円(大人個人)


■今昔木曾街道六十九次−柏原−
 かつての柏原宿の名産は、伊吹艾(もぐさ)。いわゆるお灸に使用するものだが、私は未だかつて本物を見たことがない。この柏原宿には、艾を売るお店が何軒かあったらしく、広重もそのうちの一つ・亀屋を描いている。亀屋には、福を招くという福助人形(広重絵右端)が置かれていた。
 歴史館で見たDVDには、繁盛しているこのお店が写っていたが(H10年前後)、実際に訪れてみたところ、開店している風はなかった。なので、構図だけ同じように撮影してみた。
 ちなみに、福助人形(亀屋の人形ではない)は、先ほどの歴史館に並んでいる。
木曾街道六十九次 柏原 広重作


■柏原宿をゆく その2
 柏原宿歴史館や亀屋を後にして、再び宿場の中を歩く。今日は天気が良くて、暑いくらいだ。とっくにTシャツ姿になり、のんびりゆく。高札場跡、脇本陣跡など全て「跡」だけだが、街全体としては割と古めの建物が見られる。現・英数塾となっている東見附跡を通過すると、宿場に終わりを告げて先を目指す。
柏原宿の街並み 高札場跡 映画監督吉村公三郎実家 脇本陣跡
福助クン<とある家庭の窓際に置かれていました 元蝋燭屋の格子窓 八幡神社 照手姫地蔵堂


■秋の彩り
 宿場を抜けると、すぐに楓並木がある。この並木の真骨頂は、言うまでもなく秋の季節だが、まだ色づき始めといったところで、最盛期にはまだ時間が必要のようであった。しかし、先端部分から変わりつつある様子は、きれいなグラデーションを創り出しており、これを見ただけでもこの時期に訪れて良かったな〜と思うのであった。

色づき始めた楓(かえで)



■続く楓並木
 楓並木はあっという間に終わり、踏切があるので、それを渡って右折する。山中へ参道が続いている神明神社を左手に見つつ歩いていると、再び楓並木。おお〜まだあったのかと嬉しい誤算。ここもやはり先端部分から色づき始めているのがよぉくわかる。
踏切を渡って右折
踏切を渡って右折
楓並木の途中に
神明神社
この辺はまだ緑色
楓並木
この辺はちょっと色づき始めてました
色づく楓
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2004.11.11update


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