合流した国道は、ものすごい交通量・・・。辟易しつつも、ひたすら先を急ぐ。右手に航空自衛隊基地があるはずだが、管制塔らしきものが見えたくらい。左手に川崎重工業工場を見つつ、三柿野駅を過ぎる。大通りを地下ルートで横断した後、左手にある神明神社で道中安全祈願。その先、バス停の名称が「二十軒」。かつて、二十軒茶屋があったところの名残だろう。その先、鉄道が国道に迫ってきた辺りで左を見ると、はげ山（各務山）が。
　さらに進むと、左手に各務原駅。あれー？駅舎と一体となっているはずのコンビニがつぶれてる！時の移り変わりを感じ、思わず感慨にふけってしまう。その鉄道を高架で渡った先に播隆上人碑。濃尾大地震のため、碑は割れてしまっている。ちなみに、ここに一里塚があったそうだ。もう一里かぁ・・・気持ち的に早く感じられる。
　さらにひたすら進むと、国道は右に大きくカーブしているが、旧道は、国道を逸れてまっすぐ続いている。ふぅーようやく国道から解放されてホッと一息。その先には、きれいな新しい公園・羽場公園があり、トイレを借用。

【津島神社】

　その新しい公園横には、津島神社。この神社、面白いことに鳥居のすぐ目の前に拝殿がある。
　この拝殿、皆楽座という回り舞台になっているのだそう。この拝殿をぐるっと廻ると、その奥に本殿がある。拝殿・・・妙に威張ってるように見えるぞ。

　拝殿と本殿の間の境内にベンチがあったので休憩。喉乾いたなぁ・・・どこかで飲料補給せねば。

　ちなみに、この神社の隣の羽場公園は、東屋もあるので、休憩にはそちらもオススメ。

　津島神社を後に、しばらく歩くと、左手に空安寺、その奥隣に衣裳塚古墳がある。このお寺、門構えからしてなかなか立派なものをお持ちですな。さらに、隣の古墳は、直径五十二メートル、高さ七メートルの円墳だ。古墳と言われなければ、そのまま素通りしてしまいそうだけど。
　そして、ここで視線を右に向けてみると、ここが結構な高台であることに気づく（というより、歩いていればとっくに気づいていることです）。ちょっと遠くに目をやってみると、小山の上に犬山城を望むことが出来る。

　古墳を過ぎて、道はゆるやかな下り坂。信号のある交差点右手前に「中山道 鵜沼宿」と書かれた新しめの石碑が建てられている。ここが、宿場の入口である。そして、同時にここから妙に車の交通量が増える。下の写真には、車が全く写っていませんが、実際は結構な交通量なのです。
　さて、鵜沼宿。ところどころに昔風の家屋が点在しているが、全体的には印象が薄い。どうやら濃尾大地震によって、結構な家屋が倒壊してしまったようだ。かつての宿場町だが、街の中心地は、鉄道駅の方であるのか、商店街等は見られず、落ち着いた街並みの印象は受ける。ただし、交通量多し・・・。
　特に、どこにも立ち寄らず、左手に常夜灯を見つつ、宿場を後にする。

　鵜沼宿の街道絵は、英泉作。英泉は、中山道から外れている犬山城をフレームの中に取り入れている。あまりにデフォルメしているため、妙にのっぽのお城になっているが、現在でも似たような風景を望むことが出来ると思う。ただし、今回は、その場所を訪問しなかったため、3年ほど前に犬山城を訪れた際の写真で代用することにする。写真は、犬山城から木曽川を眼下に望みつつ、北方面を望んでます。

　一応雰囲気は伝わっていると思いますが、いかが？（犬山城はご存じの通り国宝指定。しかし、手すりが低く、天守閣から落っこちそうになるので要注意！）

【うとう峠へ続く石碑】

　さて、鵜沼宿を抜けると五叉路に。この一角に、「ここは中山道鵜沼宿 これよりうとう峠 左」と書かれた道標が建てられている。そう、いよいよ峠越えが始まろうとしているのだ。
　しかし！峠越えするのに、飲み物がナッシング・・。これは危険だ・・・駅の方へ向かえば何かお店があるだろう。と、その途中で駄菓子屋さんを発見。思い切って1.5リットルのペットボトルを購入。

　さあ、飲み物の心配がなくなったので、これで安心して峠越え出来ますよーいざ出発！

　見桃院や赤坂神社へ続く参道を横目に、分岐点が現れるので、道なりに左へ。ここから一気に勾配がきつくなる。うへー今からこれじゃ思いやられるわ・・と思いつつも、えっちらおっちら上っていると、左手が開けてきて、住宅街の屋根が視界に飛び込んできた。そして、なにげに振り返ってみると、なんと犬山城が見えるではありませんかっ！日本橋方面から来た人は、犬山城を正面に見つつ道を下ることになるんだ・・・いいなぁ・・。それに比べて東へ向かう旅人は、まだまだ坂道という試練が続くのだ。

【合戸池】

　住宅街の中に続いている急坂の街道も、一旦緩やかになった頃、貯水池が見えてくる。合戸池だ。魚でもいないかな〜なんて覗いてみるも、残念ながら魚影は見られず。
　しかし、枯れ木などが沈んでたりするのを見て、ここのポイントには魚がいるぜ（キラーン）・・なんて釣り師の血がちょっとだけ騒いだ。

　街道は、このまま池に沿って続いている（写真の白いガードレールに沿って続いています）。

【もりの本やさん】

　プチ松並木を越えると、左手に住宅団地が見えてくる。それを横目に右手を見ると駐車場の先にロッジ風の木造家屋が見えてくる。これは、「もりの本やさん」と言い、児童図書館だ。建物の周りは、緑に覆われた公園。
　こちらに足を運ぼうとしたら、「謡坂一里塚」への矢印案内板がさらに先に行けと指していたので、公園に入らずそのままアスファルト道を進むことに。ところが、全然一里塚は現れず・・・。ガックリ。

　結局、再びここへ戻ってきました。（京から来る人は、素直に本やさんの方へ足を運びましょう）

　さて、もりの本やさん横から、石畳が始まっていました。石畳横にはツツジがキレイに咲いています。「さぁ登るでぇー」と気合いを入れつつ、早々に謡坂一里塚。でも、どれが一里塚かわかりませんでした・・・（汗）。さらに石畳を上ると、いつの間にか下り坂に。あれ？せっかく登ったのに下るのか・・イヤだなぁ〜と思っていると、道は石畳から土の道へ。そして、左手に「まむしに注意」の案内板。マジですか・・・思わず足元を見回してしまう。
　さらに、気持ちの良い山道をどんどん下る。と思ったら、なんか騒がしくなってきた。鉄道・道路下トンネルをくぐって喫茶店の駐車場に。あれーあっけない・・。ホッとしつつ、我に返り右手を見ると、木曽川の雄大な流れと山々に囲まれた素敵な景色が拡がっていて「すげー！」思わず感動。

【岩屋観音堂】

　木曽川の雄大な流れに興奮しつつも、その気持ちに流されず、喫茶店先の横断歩道で反対側に。右側（川側）の歩道は、この先なくなるので要注意だ。しかし、この国道は車の交通量がものすごい・・ゴホゴホ。音楽を聴きながら気を紛らせつつ歩く。

　すると、左手に岩屋観音堂へ続く案内板を発見。階段を登ると、そこには小さいながらも尊厳の感じられる観音堂が。しかも、高台に位置しているため、なかなかの絶景を望むことが出来る（写真の上にマウスを載せて下さい）。

【ロマンチック街道】

　岩屋観音堂を後にして、Ｔ字路を横断すると、右手に土手があり、その上を歩くことが出来そうだったので、道の反対側に（信号無く、横断歩道ないので横断の際は要注意！！）。
　すると、そこにはロマンチック街道と書かれた歩行者・自転車専用道が続いていた。しかも、右手を見ると雄大な風景を作りだしている木曽川が悠々と流れている。そうした景色を堪能しつつのんびり。

　左手に学校が見えたところで、泣く泣く国道へ戻る。旧街道歩きにこだわっていないのであれば、このまま進むことをオススメします。
　さて、相変わらず車の多い国道をゆく。歩道は左側だけ。次なる宿場に向けて歩いていると、右手ガードレールの向こうに碑が見える。どうやら一里塚碑らしいのだが、きちんと確認できず。その先、きれいに整地された畑が左手に。しかし、何かケモノが通ったらしき足跡が。ウサギ？
　その後見所なく歩き、歩道橋が見えたら反対側へ渡り、すぐ先のホテル手前の道を右折。そのまま川にぶつかるので再び川沿いの遊歩道を歩きます。おー空が広くて気持ちよいなぁ〜。そして、太田宿も近い。

　しばらく川沿いの道を歩いていると、左手にムクノキ。それを横目に曲尺手の道を2回曲がると、いよいよ太田宿。かつての本陣表門や御代桜醸造、現在お休み処になっている旧小松屋ほか、なかなか風情の感じられる落ち着いた街並みが続いているが、その最たるものは脇本陣林家（中央の写真）。卯だつもかなり上がっており、その往時の繁栄ぶりを伺い知ることが出来る。
　その落ち着いた街並みは、一気に通過してしまうのはもったいなく、一度戻って同じルートをトレースしてしまった。もっとも、これはきれいな夕焼けを見たいがために、時間つぶしというのもあったかもしれないが。

【美濃太田駅】

　日が長い時期のため、結局夕焼けは諦めて、今日の街道歩きは終了することに。曲尺手となっている祐泉寺先のＴ字路で左折。そのまま道をまっすぐ進むと美濃太田駅。今日は、この近くのホテルで宿泊だ。

　実に半年ぶりの歩き、かつ久しぶりの長距離だったが、かなり余裕のある歩きが出来て、満足の１日でした。
　明日も峠越え。大変そうだけど自然に触れられるのは楽しみ。唯一の不安は、例の拳銃強奪犯が捕まっていないことかな。早く捕まりますように。