日光街道を歩く(日光道中)

 #第5日目|小山−石橋 平成17年(2005)9月3日(土)


2005年9月3日(土)日光街道第5日目:小山−石橋 天気:晴れ

■日光街道5日目スタート

須加神社参道
【須賀神社参道】
 7月に日光御成道を踏破して以来、暑い暑い8月は避けて、9月初旬のこの日。青春18きっぷの消化のために1ヶ月ちょっとぶりに街道歩きに出かけることにした。今回は、日光街道の続き小山宿から石橋宿までを予定している。余裕があれば一気に宇都宮まで・・・と思っているが、まだまだ残暑も厳しいと思うのでどうなることやら。

 上野駅から快速を使って約1時間で小山駅に到着。快速が走るようになって、ずいぶん近く感じるなぁ。というわけで、さっそく万歩計をリセットしてスタート!(8:00)

■前回見そびれた小山宿をゆく
 まずは、前回見そびれた小山宿内の宿場遺構などをチェック。特に、まず最初のチェックは逆光のため良い写真が撮影出来なかった須加神社へ続く参道。うっそうと生い茂る様に惹かれました。
 その他、街道沿いのよさげな家屋や明治天皇が休まれたという脇本陣跡(かつての玄関が現存)などを見つつ、一旦宿場をはずれる。
酒やしょう油を売る何でも屋さん?
よさげな家屋
脇本陣だけど、明治天皇が休まれたようです
脇本陣跡
これを命名したのは誰だ?
小山宿通り
今は銀行
問屋跡

■小山御殿跡・・・より、小山評定の方が気になる!
日光社参のための休憩・宿泊所として徳川家光が設けたそうです
【小山御殿跡】
 やってきたのは、小山御殿跡。ここは、3代将軍徳川家光が、日光社参のための休憩・宿泊所として御殿を設けたところ。現在は、その跡形も見られない。
 しかし、個人的には、それよりもっと以前の、小山評定の方が興味深い。小山評定とは、簡単に言うと「言うことを聞かない上杉家を家康がこらしめてやる!と言って、大名達を引きつれて米沢に向かうも(※1)、ここ小山に来た時、石田三成が家康に牙をむいたので、どうしたもんやろ・・と、連れてきた諸将に問うた」ことを指します。つまり、この後、真田親子(昌幸・幸村)を除いて、全員で引き返して光成を討つために一転して西に向かい、そのまま関ヶ原の戦いへと繋がっていくのだ。

※1・・・家康は、わざと隙を作って、光成が謀反を起こすようにし向けた、と思って間違いない。



■日枝神社の参道に大きなケヤキが3本
巨木が3本。樹齢は400年以上だー
【日枝神社参道のケヤキ】
 さて街道に復帰。宿場を抜けると、見どころがなく、車の交通量の多い道が続く。しかも、まだ歩き始めて間もないのに、すでにジットリと汗が・・。まだまだ残暑は厳しく、今日も暑くなりそうな予感。
 JR両毛線の踏切を越え、左手に小山遊園地を(遠方に)見つつ(昔TVCMで良く見てた)、のんびり進むと、左手に巨木の生い茂る神社を発見。案内板を見ると、日枝神社のケヤキと書いてある。いずれも樹齢400年以上ということで、幾多の街道を往来した人々を見守ってきたのかな〜なんて思ったり。私も、そのうちの一人になりましたよー。>ケヤキさま



■追分−壬生道との分かれ
 日枝神社参道を後にすると、ほどなくして追分にぶつかる。ここは、左に進むと壬生道(壬生、楡木等を経て今市に至る)となる。また、付け根部分には、馬頭観世音碑などが建てられており、その奥には、創業元禄11年という御菓子屋さん・蛸屋がある。
 この先、ちょっとわかりづらいが、まず日光街道は右へ(左下の写真)。その後、さらに右に続く細い道があるのでそちらへ(右下の写真)。
追分。ここを左にゆくと壬生道。日光街道は右へ。すぐにさらに右の細い道に入ります(右の写真) 左の写真の続き。国道を逸れて裏道へ



■国道を逸れて落ち着いた旧道をゆく
ゆっくりと歩くことが出来る空間
【落ち着いた裏道】
 国道を逸れると、さっきまでの喧噪(けんそう)がウソのように、そこには落ち着いた空間があった。これが旧道だ・・・とホッと一息。
 道の右側には、家屋や畑が見られ、反対の左側は緑生い茂っている。その緑から、セミの鳴き声がひっきりなしに聞こえてくる。今少しで終わろうとしている夏を惜しむかのような鳴き声に聞こえてしまい、諸行無常の響きか・・なんて思うと、しんみりしてしまう。



■一里塚?
反対側にもこんもりとした小山が・・・
【一里塚?】
 細い旧道をゆく途中、手持ちの資料には、丘の上に木が植わったところが一里塚跡だと書かれているが、それらしき小山があったが、案内板などがなく不明。ちなみに、この小山の反対側にもこんもりとした小山が。はて・・?



■気温は暑いが、街道に秋を感じる
 旧道は線路沿いの道に合流し、しばらく線路沿い(地上部に在来線、新幹線が高架上に)をゆく。しばらく進み、左斜めに道が続く、三叉路があるので、その左斜めの道を進む。すると、途中に稲穂が頭を垂れた田園などが目に飛び込んでくる。まだまだ残暑は厳しいが、こうした風景を見ると、もう秋なんだなぁ〜と感じる瞬間。

刈り取り間近でしょうか




■新田宿をゆく
 落ち着いた空間に別れを告げて、交通量の激しい国道に合流。このあたりから新田宿である。しかし、往時の面影は皆無に等しい。唯一、左手にある青木家の門が、かつての本陣跡の遺構として残っているのみである。

 あっという間に宿場を抜けると、旧道は国道を逸れて右斜め方向に続くはずだが、現在は道が失われているため、泣く泣く国道をゆく。気温の上昇と(この日は夏日を記録)、車の往来に段々とだらけてくる。ここまで無休憩・・・いい加減へばってきた。
新田宿は、現在こんな感じ 本陣門



■両塚現存の小金井一里塚
 しばらく国道を進む。JR小金井駅への分岐を過ぎると、左手になにやら見えてきた。近づいてみてビックリ。両塚現存している小金井一里塚だ!往時のルートと、現在の国道がずれているため、両塚とも国道の左手に見られる。かつては、左に杉、右に松が植わっていたそうだが、現在は右に榎が植わっているのみ。この榎、かなりの巨木だ。
 ちょうど良い機会だと、ここで初休憩・・・と思ったが、アリやケムシがうじゃうじゃいたので、休憩はもう少し先に延ばすことにして再出発。ちなみに、このあたりから小金井宿。

小金井一里塚




■小金井宿をゆく
 小金井宿は、慈眼寺や金井神社等の寺社や本陣跡門などが見られるなど、新田宿に比べれば十分過ぎるほどある。その他、写真を撮り損ねた蓮行寺(宇都宮城主が将軍を出迎えたところ)や古島宅(かつての旅籠跡)などもあり、国道沿いの宿場ながらも、資源が点在している。
慈眼寺 金井神社
歴史の感じられる家屋 本陣門



■のどかな道をゆく・・・が暑い
道はまっすぐ続いています
【のどかな旧道をゆく】
 小金井の宿場を抜けてから、ほどなくして左手にパチンコ屋(またはその先のうどん屋)のところで左折すると、国道の一本左側に細い道が続いている。これが、かつての旧道だ。両脇に田畑が見られたり(ここは炎天下にさらされてきつかった・・)、右側に木々が続くところがあるなど、きっと秋頃には気持ちの良い道なんだろうなぁ〜・・・・。

 というのも、この日は夏日となるくらいめっちゃ暑く、もう意識朦朧(もうろう)としながら歩いていたので、「早くこの炎天下から脱出したーい」と言った、マイナス思考にしか考えが廻らなかったのだー・・・。あとは、田んぼで見かけたカエルだけ印象に残ってる・・。



■石橋駅で本日の旅終了・・・のはずが
なんかメルヘンチックなものが・・・
【石橋駅】
 炎天下の裏道が終わり、再び国道に合流。炎天下地獄に加えて、排気ガス地獄がプラスされ、「もう今日は早く終わりたい」という気持ちが先走って、写真もろくに撮らず。石橋駅に向かう交差点で右折。妙にメルヘンな石橋駅前のオブジェ(?)が気になるも、その前にトイレトイレ。
 と、トイレで出会ったタクシーの運ちゃんが、突然話かけてきた。
 「そんな良いカメラ持って、観光にでも来たのけ?」
 カクカクしかじか・・と、街道歩きのことを話すと、「この先なんにも見どころねぇなぁ」と。それから20分ほど話し込むと、近くにある「開雲寺は、徳川のお殿様が泊まったところだから是非見てけ」と、猛烈に勧めるので、「疲れているから、今日はやめときます」とは言えず、「それじゃ、さっそく見に行きます」と、運ちゃんにお礼を言って、駅を離れてお寺に向かうことに。



■タクシーの運ちゃんのオススメ・開雲寺に立ち寄る
 運ちゃんの「どうせなら正面から入った方がええな」というアドバイス通り、先ほど分かれた交差点まで戻り、街道からお寺に足を踏み入れる。立派な門脇には、2対の金剛力士像。一礼してから境内に入ると、本堂には、葵の紋が入った緑の暖簾(と言って良いのでしょうか)が。運ちゃんの言うとおりでした。
 あまりの気持ちよい空間に、ここで本日初の休憩をとらせてもらうことに。ときおり心地よい風が吹く中、今日の〆にふさわしいところだと思いつつ、30分ほどのんびり。
 その後、石橋駅に戻り、本日の旅は終了。あのまま改札をくぐっていたら、今日の旅は味気なく終わるところだった。が、運ちゃんに出会ったおかげで、気持ちよく終えることが出来た。これからも出会いは大切にしなければ・・と思いつつ、改札をくぐった。(つづく)
開雲寺の四脚門 徳川葵の紋
→第六日目|石橋−宇都宮 へ(工事中)


歩数計 24,720歩
カロリー 1,225.5kcal
距 離 17.30km
時 間 8:00〜12:57
支 出 交通費|2,300円(青春18きっぷ使用)
飲食費|−円
その他|−円


2005.09.21update


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