雑学諸々−歩く旅について


■歩くのは楽しい
 むかしむかし・・・人々は、自分の足で移動していました。もちろん、身分の高い人などは、馬に乗ったり駕籠に乗ったりすることもありましたが、多くの人の移動手段と言えば「徒歩」でした。
 ところが、文明の進歩にともない、鉄道、自動車、飛行機などあらゆる交通手段が登場して、人々はどこに行くにしてもこれらを利用することになりました。なぜなら、移動時間が大幅に短縮されるからが大きな理由でしょう。
 しかし、こうした交通の発展に伴い、我々は移動時間を大きく短縮することが出来た代わりに、何か大切なものを失いかけているような気がしてなりません。時間に追われる現代人は、「時間」はやっぱり「時間」という考え方に固執してしまっているようです。時間の短縮が合理的かつ効率的であるという・・。しかし、今のこの忙しない時代だからこそ、「時間」という言葉の持つ意味が問われる気がします。

 『狭い日本、そんなに急いでどこ行くの?』

 こんな言葉を耳にしたことがあると思います。たまには、普段とは違う、ゆっくりとした時間の流れを感じることも大事です。それには、「歩く」ことが一つの手段であると思います。普段はなにげに車で通過してしまうようなところでも、歩いて通過することによって新たな発見があるかもしれません。そんな新たなものを発見する喜びも歩きの楽しさの一つなのです。
 歩くのなんて辛いよ・・・そう言う人もいるかもしれません。確かに辛い時もあります。でも、誰に強制されるわけでもなく、義務づけでもありません。自分のペースで無理しない程度にゆっくりとのんびり歩くと、徐々に歩くことの楽しさを実感できると思います。


■歩くのは健康に良い
 ウォーキングブームが叫ばれて久しくなりました。当初は、登山やハイキングなどが主流でしたが、最近では西暦2000年が東海道制定400周年であったこともあって、街道ウォーカーが急激に増えました。私は、たまたまその波に乗っかったのですが、しかし、こうしたブームの背景には「健康」というものが一番大きな要素としてあるのでは、と思います。
 よく一日10000歩歩くと一日のカロリー消費と同じくらいだなんてことが言われていますが、最近の万歩計などには歩いた距離に応じてカロリー消費を計算してくれるものもあり、健康に良いということで、今後益々歩くことが益々人気出てきそうな気がするのは、私だけではないはず。


■新たな出会いがある
 『旅は情け、人は心』
 これは、ことわざの一つですが、意味は「旅行中には人のなさけが何よりも嬉しく感じられ、人の身には心の持ち方が一番大切」というものです。旅をしていると、まさにこのことを実感できます。もちろん、誰にも会わなければ仕方ありませんが、食事をとったりお土産屋に寄ったり迷った時に道を尋ねたりと、こういう時の人の親切というものは心に響きます。


■歩く旅における装備
 歩く旅に出掛ける時に必要なものはなんでしょうか。まず第一に荷物はできるだけ少なくすることが大切です。重い荷物を持って歩き続けるのは大変なことです。それに、いざとなれば、道沿いのお店や自販機などで飲食料やその他必要なものは手に入れることができるわけです。
 それでも最低限必要なものはあります。まず、服装ですが、街中を歩くこともありますので、普通の格好で良いと思います。ただし、夏場でなくても歩いていると汗をかいたりするかもしれませんので、替えの服は持っておくと良いと思います。私は、季節に関わらずTシャツを下に着ています。あとは、寒さに応じて防寒対策をしっかりとしましょう。
 靴は、はき慣れたものを。ただし、トレッキングシューズなど、底が厚いものが良いと思います。私は、最初の街道歩きでスニーカーを履いていったらとんでもない目にあいました(笑)それから、夏場が主になりますが、日差し対策として帽子をかぶることも必要です。あとは、特に女性向けですが、日焼け止めクリームなどを塗ることなども忘れずに。
 次に持ち物ですが、私は着替え、タオル、カメラ、筆記用具、雨具、街道ガイド本など。着替えは、日帰りでもTシャツの替えくらいは持っているとベターですね。タオルは、必需品。ハンカチでも良いですが、タオルの方が良いと思います。カメラは記録のために。もし街道歩きをホームページ等で公開するつもりならば、その後の編集作業を考えるとデジタルカメラがお薦めです。筆記用具は、その時々思ったことなどをメモします。雨具は、万が一の天候不良の時のために。街道ガイド本は、勉強しながら街道を歩くのに必要です。これがないと、迷子になりまくりかと(笑)あとは、非常食や飲料なども常に持っていると安心です。場所によっては、お店が全然ないところなどもありますので。


■歩く旅における注意事項
 歩く時の注意をいくつか申しますと、まず身の安全性確保が第一です。街道によっては、歩道がないのに車の往来が激しいところ、狭い道なのに車がビュンビュン飛ばすところ、熊が出没するところ・・など危険が伴うようなところがあります。そのため、こういうところでは、無理はせずまずは身の安全確保を最優先しましょう。<当然
 次に、休憩を取ることです。これはとても重要です。もちろん身体を休める意味もありますが、ずっと靴を履いているとむれることがあり、これによって足にマメが出来てしまう可能性があります。そうすると、その後の歩きに影響が出てしまいます。休憩をした時は、靴を脱いで、靴下も脱ぐことが望ましいです。傍目にはあまり見たくないかもしれませんが・・(笑)
 そして、特に夏場に言えることですが、水分補給はマメに取ることをお薦めします。日差しが強い時は、それがために汗をかき、熱中症などになりかねません。私もあやうくなりかけた時がありました。喉が渇いていなくても、こまめな水分補給が大事なのです。
 それから一日の歩く距離ですが、これは人によって千差万別です。昔の人は普通の成人男性ならば一日40キロ近く歩いたとのことですが、現代人はそんなに歩ける人は少ないと思います。平均3キロ/時くらいで考えて15〜20キロ/日くらいで考えてよいと思います。そうすれば、多少寄り道をしても、だいたい当初の予定通りの歩きができると思います。私は、平均して20キロ/日くらいだと思います。他のウォーカーに比べると結構のんびりしてるかもしれません。


 

2002.09.26現在
2005.09.25改変


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